2021/02/08 国交省/週休2日工事、市場単価積算にも補正係数設定/交代制は現場管理費を補正

【建設工業新聞  2月 8日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業の働き方改革の一環として、直轄土木工事で週休2日に取り組める環境を整備する。市場単価方式で積算する工種に、現場閉所の状況に応じた補正係数を新設。3月1日以降に入札手続きを開始する工事から先行試行する。全工種で週休2日の経費補正が可能になる。維持工事などが対象の交代制モデル工事も必要な現場管理費を補正。より実態に合った内容で積算する。=2面に関連記事

現行の補正係数は標準単価や標準歩掛かり、施工パッケージ単価で積算する工種を対象にしている。一方、市場単価は機械経費、労務費、材料費を含めた市場の取引価格のため、これまで補正係数が設定されていない。市場単価方式で積算する工種にも週休2日に取り組める環境を整備するため、3月から現場閉所の実施状況に応じた補正係数を新たに導入する。

週休2日工事の適用拡大策として2019年度、これまで対象外だった維持工事などで「週休2日交代制モデル工事」の試行を開始。技術者、技能者が交代しながら休日を確保。現場に従事したすべての技術者、技能者の休日確保の状況に応じて労務費を補正する。交代制による労務管理費の増加に伴い、21年度は新たに現場管理費の補正係数を設定する。

国交省は週休2日の推進に向けて、工期設定支援システムの導入や準備期間・後片付け期間の見直しなどさまざまな取り組みを展開。18年度に導入した現場閉所の状況に応じて設定する経費(労務費、機械経費〈賃料〉、共通仮設費、現場管理費)の補正係数を21年度も継続する。4週8休以上、4週7休以上・8休未満、4週6休以上・7休未満それぞれ従来の補正係数とする。

24年4月から建設業で時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることを踏まえ、週休2日工事、交代制モデル工事を順次拡大。23年度には維持工事などを含めすべての工事を、週休2日工事として発注者指定型で公告する。24年4月には原則として週休2日の確保を目指している。

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