2021/02/10 政府/デジタル改革関連法案を閣議決定/国交省関係は業法など17本一括改定

【建設工業新聞  2月 10日 1面記事掲載】

政府は9日の閣議で、行政デジタル化の司令塔と位置付ける「デジタル庁」設置法案を含むデジタル改革関連6法案を決定した。このうちデジタル社会形成関係整備法案では押印と書面の手続きを見直し、国土交通省関係で17本の法律を一括改正する。民間事業者などの負担軽減を図るため、建設業法や建築士法などを改正。民間同士の手続きで押印を不要にするとともに、電磁的方法での書面交付を可能にする。=2面に関連記事

押印や書面交付を義務付ける規定について、デジタル社会形成関係整備法案で関係法律を一括改正。国交省関係では建設業法、建築士法など17本の法律が対象となる。

建設業法では二つの規定を改定する。元請会社が工事の発注者に提出する見積書を電子化。発注者の承諾を得れば電磁的方法で発行できるようになる。方法は電子メールやダウンロードなど省令で定める。主任技術者の配置を免除するための元請と下請の文書も両者が合意すれば電子化できるようになる。

現行法は発注者と元請が電磁的方法で書面をやりとりできる。法改正によって業法上のすべての書面が電子化でき、押印も不要になる。ただし紛争防止の観点から書面の請負契約書だけは記名押印が必要となる。

公共工事前払金保証事業法では、発注者が保証会社に保証金の支払いを請求する場合、書面に代えて電磁的方法でもできるようになる。建設リサイクル法では、解体工事に関する請負者から発注者への説明書面を電子化する。

建築士法では、設計受託契約などに関する重要事項説明書の交付について、建築主の承諾を得た上で電磁的方法で行うことができるようになる。これにより重要事項説明がオンラインで完結できる。設計図書への押印を廃止し建築士の負担を軽減。電磁的方法による作成、保存を容易にする。

宅地建物取引法では、宅地建物の売買契約などに関する重要事項説明書を電子化し、押印を廃止する。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る