2021/04/23 国交省、総務省/個別補助事業に債務負担行為活用を/施工時期平準化へ自治体に周知

【建設工業新聞  4月 23日 1面記事掲載】

国土交通、総務両省は地方自治体に対し、施工時期の平準化を目的とした国庫債務負担行為の設定が国交省所管の個別補助事業でも可能になったと周知する。自治体の要望に応じ、工期が1年に満たない工事に適用する2カ年国債や、初年度の支出を伴わないゼロ国債などの「平準化国債」を国が設定。自治体は次年度にわたる国庫負担の見通しを確保しつつ、施工時期の平準化や切れ目のない事業執行が可能になる。

2021年度予算編成の過程で、一部の自治体から個別補助事業での平準化国債の適用で要望があった。国交省は本年度予算から国庫債務負担行為の設定を認めることにした。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)で、施工時期の平準化が「発注者の責務」と規定されたことなどが背景にある。工事だけでなく測量や設計など業務でも平準化国債の設定を認める。

国交省土地・建設産業局建設業課長、総務省自治行政局行政課長の連名で「施工時期の平準化に資する年度をまたぐ適正な工期確保のための国庫債務負担行為を踏まえた債務負担行為の適切な設定等について」と題する文書を、都道府県と政令市の担当部署、議会事務局に4月21日付で送付。22年度予算編成を見据え、個別補助事業で債務負担行為を適切に設定するよう各自治体に要請する。都道府県には管内の市区町村への周知も求めた。

自治体発注案件の施工時期の平準化を巡っては、社会資本総合整備交付金事業で債務負担行為の活用を促す文書を両省が昨年3月に出しており、各自治体に取り組みが広がっている。初年度の交付申請時に「一括設計審査」の承認を受け交付を決定し、後年度支出分は翌年度に「早期着手交付申請」を活用する方法を周知している。

国は直轄事業を中心に平準化国債の活用を年々拡充している。21年度当初予算の公共事業関係費計上分(特別会計を含む)を見ると、2カ年国債は4305億円(20年度当初1935億円)、ゼロ国債は1785億円(同1323億円)を設定した。

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