2021/08/27 国交省/22年度予算概算要求/公共事業費6・2兆円、成長推進枠活用し最大限計上

【建設工業新聞  8月 27日 1面記事掲載】

国土交通省は26日、2022年度予算の概算要求を発表した。一般会計の国費総額は前年度比17・6%増の6兆9349億円。うち公共事業関係費は18・8%増の6兆2492億円を要求する。グリーン社会の実現など成長分野の施策に重点配分する特別枠「新たな成長推進枠」を活用し、最大限の要求額を計上。2年目に入る「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」や関係省庁と進める盛り土の総点検を踏まえた対応は事項要求とし、予算編成過程で検討する。=2面に部局別概要

政府が7月7日に閣議了解した概算要求基準は、新たな成長推進枠として▽グリーン社会の実現▽デジタル化の加速▽活力ある地方づくり▽少子化対策-の4分野を設定。裁量的経費と義務的経費の削減分の3倍までの金額を特別枠で要求できる方針に基づき、国交省はカーボンニュートラル実現に向けた施策や国土交通分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)などの特別枠に1兆5989億円を充てた。

要求額が確定していない事項要求としてコロナ禍を踏まえた地域公共交通や観光の確保・維持経費や、消費増税に伴う住宅取得の給付措置の取り扱いも挙げた。5カ年加速化対策の2年目分は「まずは当初予算として確保できるよう要求し、財務当局と調整する」(国交省官房会計課)。盛り土への対応は年内にもまとめる暫定的な点検結果を踏まえ予算化を検討する。

公共事業関係費のうち一般公共事業費は6兆1932億円(前年度比19・0%増)、災害復旧費等は560億円(増減無し)。一般会計とは別枠の東日本大震災復興特別会計には380億円(4・5%減)を計上。財政投融資は1兆7634億円(12・2%減)となった。

国民の安全・安心の確保を柱の一つとして「流域治水」の本格的展開やインフラ老朽化対策に重点配分。防災・安全交付金は1兆0291億円(20・5%増)を計上し、地方自治体の防災・減災対策などを集中的に支援する。社会資本整備総合交付金に7441億円(17・9%増)を充て、将来の成長基盤となる民間投資・需要を喚起する道路整備などにつなげる。

9月1日のデジタル庁設置に伴い、特殊車両通行許可システムなど国交省が所管する政府情報システムに関する予算はデジタル庁が一括計上し、国交省に移し替えて執行する。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る