2021/11/30 政府/21年度補正予算案/強靱化5か年対策に国費1・5兆円

【建設工業新聞  11月 30日 2面記事掲載】

政府は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~25年度)の2年目となる22年度分などとして、21年度補正予算案に国費ベースで1兆5210億円を計上した。事業費ベースでは2兆3555億円の規模になる。うち、公共事業関係費は国費ベースで1兆2539億円、事業費ベースは1兆9291億円に上る。

政府は補正予算案の年内成立を目指している。成立後に速やかに予算執行に入るが年度末まで期日が短いため、大半の予算を22年度の事業に充てることになる。22年度当初予算概算要求では5か年加速化対策の費用を事項要求とした。所管する内閣官房は当初予算案にも対策費用を計上したい考えだが、財務省との調整次第という。

補正予算案の5か年加速化対策分を施策テーマごとにみると、▽風水害や大規模地震への対策=国費1兆1486億円(事業費1兆7990億円)▽予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策=3032億円(4872億円)▽国土強靱化施策のデジタル化など=692億円(693億円)-となった。

国費を府省庁別=表=でみると、国土交通省が最も多い1兆0672億円だった。府省庁や官民連携による「流域治水」の推進や、巨大地震に備えた住宅・建築物の耐災害化に取り組む。被災後に迅速な通行を可能にする高規格道路のミッシングリンク(未連結区間)解消や4車線化なども盛った。

農林水産省も流域治水の取り組みとして農業水利施設の整備などを展開する。文部科学省は学校施設などの防災機能強化や老朽化対策、文化財の防火・耐震対策などの費用を計上した。厚生労働省は水道施設の耐震化や医療施設の倒壊リスクがあるブロック塀の改修を実施する。

5か年加速化対策以外も含めた国土強靱化関係予算の総額は国費1兆8495億円(事業費2兆7432億円)。うち、公共事業関係は国費1兆3548億円(事業費2兆0565億円)の規模になる。

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