2021/12/02 静岡県/盛り土等規制条例で骨子案/一定規模以上は許可制に、事前の住民説明義務化

【建設工業新聞  12月 2日 7面記事掲載】

静岡県は、7月に熱海市伊豆山地区で発生した大規模土石流災害を受け、盛り土等の規制に関する条例(仮称)の骨子案をまとめた。一定規模以上の盛り土等は届け出制から許可制に改め、許可申請予定者には周辺住民に対する事前説明を義務付ける。土砂の崩壊や流出などの危険があり業者が行政指導・命令に従わない場合は、土地所有者に対策を命令できるようにする。罰則規定も強化する。今月末までパブリックコメントを実施し、2022年7月1日から施行する。

多くの人命が失われた熱海市伊豆山地区の土石流災害は、逢初川上流部で施工された盛り土の崩壊が被害を拡大したと推測されている。県は同様の被害を二度と発生させないため、周辺県で最も厳しい条例を参考に盛り土規制の在り方を見直す。

条例案では、盛り土や埋め立てに汚染された土砂が使われないよう有害物質に対する厳しい基準(土砂基準)を設ける。盛り土を行う業者や土砂の発生者、土地所有者の責務も明記した。

土地面積が1000平方メートル以上、または土量2000立方メートル以上の盛り土や埋め立てを行う場合は許可制とし、盛り土等の目的や区域、搬入土砂量、搬入計画、工事期間中の災害防止対策や生活環境の保全措置などを記載した申請書や図面の提出を求める。

また、盛り土等の着手時の届け出、土砂量などを記載した土砂等管理台帳の作成、搬入土砂量の定期的な報告、関係書類と台帳の備え置き、閲覧、保存を義務付ける。

盛り土等に同意した土地所有者は土砂搬入などの間、定期的な状況確認を行う。不適正な盛り土や埋め立てが行われていることを知った場合は、直ちに業者に対し中止や必要な措置を講じ、県に報告する。業者が勧告、命令に従わず、土地所有者も義務を怠った場合は、県が土地所有者に必要な措置を講じるよう命じることができるとした。罰則規定も強化し、罰金刑に加え懲役刑も規定した。

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