2021/12/24 国交省/道路除雪工の積算方法改善へ/機械経費など固定費計上を試行

【建設工業新聞  12月 24日 1面記事掲載】

国土交通省は道路除雪工の積算方法の改善に向け、受注者の除雪体制維持に必要となる機械経費などを「固定的経費」として計上する新たな算定方法を試行する。除雪機械の機種や台数に応じ維持・管理経費を積み上げる方法を採用し、降雪量が少なく出来高が上がらなかった年でも一定程度の経費を計上できるようにする。今冬発注する直轄工事で全国的に試行を行い、新たな積算方法の妥当性を検証する。

直轄の道路除雪工で採用されている現行の積算方法では、除雪機械の運転時間・日数に応じ出来高と待機費を算定している。ただ降雪量が少なければ稼働が減り出来高も上がらないため、人件費や機械経費など固定的に発生する経費をまかなえないという問題が生じていた。

国交省は2020年度から固定的経費の積算方法で検討を開始。有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の「維持管理部会」(部会長・堀田昌英東京大学大学院教授)を23日に開き、検討状況を報告した上で今後の進め方への意見を聞いた。

固定的経費は除雪機械の機種や台数ごとに償却費と管理費を一定程度積み上げ、除雪体制確保期間(除雪機械の確保期間)も考慮し算定する。この金額より現行の積算基準で算定した金額が小さい場合、その差額を精算変更時に直接工事費へ計上する。間接工事費として除雪機械の機種や台数に応じ、その管理に必要となる準備費や営繕費、労務管理費、従業員給料手当を計上する。

想定される課題として除雪機械が少ない工事で経費が計上できない可能性などが指摘されている。21年度に道路除雪を実施する全国の直轄工事で試行を実施し、固定的経費を計上する算定方法の妥当性を見極める。年度末の精算変更を踏まえ試行結果をまとめ、22年度以降も引き続き積算方法の改善を検討する考えだ。

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