2022/01/27 北陸整備局、富山建協と意見交換/賃上げ企業加点措置で2月10日にウェブ説明会

【建設工業新聞  1月 27日 7面記事掲載】

富山県建設業協会(竹内茂会長)と北陸地方整備局の意見交換会が25日、ウェブ会議システムを使って開かれた=写真。会合で北陸整備局は、4月1日以降に契約する工事と業務に適用予定の賃上げした企業を総合評価方式の入札契約手続きで加点評価する措置について、2月10日にウェブ会議システムによる説明会を開くことを明らかにした。説明会は2回(工事、業務各1回ずつ)開催する。局は近く、ウェブ会議参加に必要なアドレスを公表する。

局は賃上げ企業に対する加点評価の内容を記載した資料を各建設業団体に配布済み。内容についての質問を業界団体を通じて2月4日までに集め、同10日に説明会を開く。説明会は集まった質問に対する回答が主体で説明会の場では質問は受け付けないという。

意見交換では、賃上げ企業に対する加点評価に対し、協会から「資料には、事業年度または暦年単位で従業員に対する目標値(大企業3%、中小企業1・5%)以上の賃上げを表明した入札参加者を総合評価で加点するなどいろいろ書いてあるが、読んだだけではなかなか理解できない。2月4日までという短い期間で質問内容をまとめて局に提出するのは困難だ」

局の説明だと賃上げ企業に対する加点措置の有効期限は1年間で、加点を毎年得るには毎年賃金を上げ続けなければいけない。防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策期間の2025年度までなどの限定というなら何とかなるかもしれないが、それ以降も毎年賃上げを続けろというのであれば会社の経営は成り立たず倒産してしまう。例えば国土強靱化の間だけといった具合に期間を決めてほしい」

「建設業は製造業に比べて給料が安い。だから賃上げした企業に総合評価で加点するというインセンティブを与えるという手法は、給料を製造業並みに引き上げることにつながるかもしれない。建設業従事者を増やすチャンスととらえることもできる」などさまざまな意見が寄せられた。

会合では、▽公共事業予算の継続的・安定的確保と防災・減災、国土強靱化の継続的推進▽働き方改革の推進と担い手の確保・育成▽低入札価格調査基準の見直し▽安定的・持続可能な除雪体制の確保▽発注関係事務の運用に関する指針の徹底と自治体に対する指導-の5項目を議題に意見を交わした。

冒頭、岡村次郎北陸整備局長は、賃上げした企業を総合評価方式の入札契約手続きで加点評価する措置について、政府全体で取り上げているものなので変更は難しいことを説明。続けて、反対意見も多いのは理解できることを示唆した上で「建設業界が賃金アップにいかに積極的かを示すチャンスともいえる」と語った。

竹内会長は22年度で2年目を迎える「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」について、期待しているとの姿勢を示した。

意見交換会には富山建協から竹内会長、山本隆副会長、高田均副会長、寺崎敏治常任理事、藤井秀之常任理事、大橋聡司常任理事、加藤昭悦専務理事ら20人が、北陸整備局から岡村局長、松浦利之企画部長、芭蕉宮総一郎建政部長、平田哲人営繕部長、吉田英治企画部技術調整管理官、田村毅富山河川国道事務所長ら11人が参加した。

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