2022/05/26 資材高騰「影響あり」92%/請負額・工事費の乖離など課題/群馬建協調査

【建設工業新聞  5月 26日 4面記事掲載】

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は25日、会員企業に行った資材価格の高騰に関する調査結果を発表した。92%に相当する222社が「影響が出ている」と回答。請負額と工事費の乖離(かいり)や、民間工事の工期・契約金額の確定などに影響があるという。民間工事で契約の課題が浮き彫りになり、工事を中止する施主がいた。調査結果は発注機関との意見交換の基礎資料などに使い、必要な対応を求めることにしている。

2020年度から今年4月30日までの契約工事を対象に5月10~17日に回答を求めた。全会員の90%に当たる242社が回答した。

資材価格の高騰は「影響が大きく出ている」が107社(回答割合44%)、「少なからず影響が出ている」が115社(48%)で、「今のところ影響が出ていない」は20社(8%)だけだった。「発注者の予算に合わない」「工事費がかかりすぎ、利益が上がらない」といった窮状を訴えたり、下請価格の高騰、受注単価と資材調達単価の差異を指摘したりする意見が多く届いた。

影響が出ている資材は、生コンクリート、鋼材、木材の順に回答が多かった。公共工事を受注する会員企業が多いため、影響のある工事は▽公共土木▽公共建築▽民間土木▽民間建築-の順に多かった。

公共工事は賃金と物価の高騰時に請負額を変える契約のスライド条項を197社(82%)が「知っている」と回答したが、191社(97%)が「あまり有効でない・見直しが必要」または「有効であるが運用を改善してほしい」と回答した。

民間工事は物価変動に伴って請負工事費を変更する条文のある契約書を使用しているのが58社(30%)にとどまり、「使用していない」が134社(70%)だった。使用している会社は、「変更に応じてくれた」という回答が6社(9%)あったが、計画や工事によって応じてもらえない場合が多いことが分かった。会員企業からは「物価変動リスクは請負者が負うべきという認識がある」「相手企業の予算枠が決定している。物価高騰を理由にした値上げは強く主張できない」などの意見があった。

民間工事は資材価格の高騰を理由にした工事の延期・中止が「ある」というのが71社(37%)と高い割合になっていた。

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