2022/06/22 中建審が公共・民間約款改正勧告/建設発生土の搬出先明確化、計画制度強化も対応

【建設工業新聞  6月 22日 1面記事掲載】

国土交通省は建設発生土の搬出先の明確化に向けた対応方策をまとめた。公共・民間の標準請負契約約款に「指定利用」などを位置付ける。21日に開かれた中央建設業審議会(中建審、柳正憲会長)総会で約款改正を審議、了承した。公共工事は仕様書で指定利用を標準とし、大規模な民間工事でも搬出先の設定を推奨しつつ、発注者が受注者の処理実態を確認するよう求める。資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度の強化措置は、関係省令改正を待って約款に追記する予定だ。

静岡県熱海市の土石流災害を受けて内閣府の有識者会議が昨年12月に公表した提言を踏まえ具体策を検討していた。中建審総会で国交省はすべての公共工事を対象とする「公共工事標準請負契約約款」と、比較的大規模な民間工事に適用する「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」の改正案を提示。委員らの了承を取り付け、両約款ともに中建審会長名で関係団体らに同日付で実施を勧告した。

公共約款には契約書添付書類の仕様書に搬出先を定めると明記。公共工事で指定利用を標準とする。民間約款(甲)には搬出先の指定が「望ましい」と表現。それが困難な場合でも受注者による適正処理の確認が民間発注者に求められることを明確化した。 

有識者会議の提言では元請業者に作成・保存が義務付けられている再生資源利用促進計画書の作成対象工事を拡大し、保存期間を延長する方針なども盛り込まれた。先月公布の「盛土規制法」に基づく搬出先の盛り土許可の確認や、搬出後の土砂受領書の確認、建設現場への掲示も新たに義務化する。

こうした措置に国交省は省令改正で対応する方針。総会では同計画書とその実施状況の記録を受注者が発注者に報告・説明するよう両約款に追記することも了承された。

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