2022/06/23 東北整備局/法令順守推進本部活動方針、価格転嫁など重点6項目

【建設工業新聞  6月 23日 6面記事掲載】

◇経費の内訳明示、確認徹底

東北地方整備局の建設業法令順守推進本部は2022年度の活動方針をまとめた。「低価格受注工事の下請取引状況確認」や「価格転嫁」など6項目を重点事項に位置付けた。昨年度に通報・相談件数が増加した状況を踏まえ、過去に通報が寄せられた企業などを中心に立ち入り検査や報告聴取を徹底する。著しく短い工期や価格転嫁が建設産業全体で大きな問題になっているため、事業規模が大きな企業などを対象に実態把握に努める。

価格転嫁と低価格受注工事以外の重点項目は▽見積書などへの経費の内訳明示と書面契約の締結▽技能者に対する適切水準の賃金支払い▽著しく短い工期の禁止▽下請代金の支払い手段-の四つ。経費の内訳明示と書面契約の締結は東北整備局独自の取り組みになる。

見積書や注文書に材料費や労務費だけでなく法定福利費の内訳が明示されているかどうかを確認する。苦情相談が多い請負代金の不払いなどを回避するため、書面契約の実施状況も把握していく。低価格受注工事では、公共工事をターゲットに入札時の価格設定と積算単価の考え方、下請企業との協議状況や代金支払いなどで深掘りした情報の収集や調査に注力する。

価格転嫁は資機材価格が高騰している状況を踏まえ、請負代金の変更規定(スライド条項など)の適切な設定と運用を確認。受発注者間の取引にも注意を払い、発注者を対象に適切な対応の周知や注意喚起に取り組む。

昨年度の状況を見ると208件の通報・相談があった。前年度の130件に比べ78件増加した。立ち入り検査などの実施件数は76件(前年度27件)。内訳は立ち入り検査28件、書面による報告聴取42件、モニタリング調査6件だった。監督処分・指導件数は▽営業停止1件▽文書勧告3件▽口頭指導など(48件)。本年度は重点項目に挙げている低価格受注工事の状況確認と価格転嫁をモニタリング調査の項目に加えるという。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る