2022/12/7 東日本高速会社ら/降雪期の新たな気象予測技術開発へ、除雪車の割り振り柔軟に

【建設工業新聞  12月 7日 4面記事掲載】

東日本高速道路会社が、ウェザーニューズと共同で降雪期を対象にした新たな気象予測技術の開発に乗り出した。人工衛星や地上観測装置などを駆使し、大雪をもたらす「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」の発達状況をベースに予測。実現すれば最大6時間先の降雪を予想できる。降雪がない地域から大雪が降るエリアへ除雪車を割り振れるなど管理事務所の区域を越えた柔軟な対応が可能だ。

気象庁やウェザーニューズが保有する人工衛星と、東日本高速会社が持つ地上観測装置などを併用して降雪の有無を予測する。観測装置や気象レーダーで降水量や雨雲の位置を捕捉し、日本海上に発達したJPCZの発達状況と雪雲の発生具合などを追跡。大雪の原因となる雪雲が数時間後、どう発達するのかを割り出す。

予測精度は最大6時間先で、30分ごとに更新する。強い雪が降るエリアとそうでないエリアを事前に把握でき、管理事務所で待機する除雪車を適材適所に配置できるなどメリハリを付けた体制が敷ける。

従来は地球を格子状に分割し、気圧や気温などから大まかに予測していた。新技術は1時間当たり5センチ以上となる単発的な強い雪も高精度に捉える。早い段階で除雪作業に着手できるため、通行止めの早期解除につながる。両社は共同研究を重ね、早期の実用化を目指す。

JPCZは冬型の気圧配置が強まり、冷たい風が日本海に流れ込むなどして発生する。対馬海流といった暖流によって海水が温められ、水蒸気となって筋状の雲を形成する。日本海沿岸を中心に大雪をもたらすため、交通に与える影響は大きい。

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