2022/12/14 国交省/総合評価賃上げ加点の実績確認手続き簡素化、書類提出期限も後ろ倒し

【建設工業新聞  12月 14日 1面記事掲載】

国土交通省は賃上げ表明して総合評価方式の入札で加点措置を受けた企業を対象とした賃上げ実績の確認方法を固めた。個々の契約ごとに対処すると受発注者双方の事務負担がかさむため、一連の手続きを可能な限り簡素化する。落札企業単位で実績確認に対応する企業側の部署と、国交省側の地方整備局をあらかじめ一元化。その後の書類提出や内容確認をすべてオンラインシステムで行う。今週以降、本省や整備局で対象企業向けの説明会を順次開く予定だ。

賃上げ表明を暦年単位(1~12月)で行った企業を対象とした実績確認が2023年1月に始まる。加点措置が4月に運用開始してから初めてとなる実績確認を前に、詳細な確認方法をまとめた文書を各整備局などに9日付で送付した。

実績確認書類を契約ごとの担当官に提出する当初の段取りでは、落札企業側も契約単位で対応しなければならず手続きが煩雑になる。そこで実績確認の窓口を整備局本局に一元化する方法を取る。契約関係にある整備局が複数ある場合、代表窓口となる整備局を企業側に選定してもらう。

賃上げ表明の期間終了の約2週間前には、対象企業に窓口選定などの事前把握事項やシステムのログインID・操作方法を記した書類を郵送。代表窓口となる整備局と企業側の対応窓口の回答など、以降のやりとりはシステム上の所定様式に沿って進める。

実績確認書類の提出期限は一律で3カ月以内に設定した。当初の取り決めでは「法人事業概況説明書」が2カ月以内、「給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表」が1カ月以内などと短めに設定されていたが、全体を後ろ倒しに変更し余裕を持たせた。

書類提出期限後の2カ月で必要に応じ追加確認などを行いながら実績内容を評価し、契約担当官が賃上げ達成の可否を判断。未達成の場合は四半期ごとに財務省に報告され1年間の減点措置が課される。

この文書の対象契約から除外されている港湾・空港関係の工事・業務も、別システムを利用しつつ同じような考え方で実績確認に当たる予定だ。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る