2022/12/28 22年の土砂災害発生42道府県で788件、砂防施設が効果発揮/国交省速報値

【建設工業新聞  12月 28日 1面記事掲載】

国土交通省は2022年(1~12月)の土砂災害発生件数(速報値)を23日に公表した。全国42道府県で788件の土砂災害が発生。大半の524件が8、9月に集中し、同期間の直近10年間の平均発生件数(366件)を大きく上回った。284戸の住家が被害を受け、2人の死者が出た。ただ砂防施設が効果を発揮し、被害を最小限に抑えたケースもあった。

特に被害が大きかったのは8月3日から27日にかけ、全国で断続的に降り続いた大雨による被害。全国の36カ所の地域気象観測システム(アメダス)観測地点で、1時間降水量が観測史上1位を更新した。この影響で局所的・集中的な土砂災害が発生。土石流に加え、流木で被害が拡大した事例も見られた。

ただこれまで整備してきた防災施設が確実に効果を発揮している。新潟県村上市小岩内地区では山腹崩壊により大量の土砂と流木が流れ出たが、中流部の砂防堰堤が捕捉し、犠牲者は出なかった。

年間の土砂災害発生件数788件を類型別に見ると▽土石流など198件▽地すべり39件▽崖崩れ551件-だった。道府県別で分けると、多い順に▽静岡県211件▽新潟県77件▽宮崎県70件▽鹿児島県68件▽宮城県33件-となった。

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