2023/02/10 全建/社会貢献活動事例集を作成、「地域の守り手」奮闘発信

【建設工業新聞  2月 9日 1面記事掲載】

地域社会に貢献した建設業の奮闘を発信--。全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)が2022年度「建設業社会貢献活動事例集」=写真は表紙=を作成した。社会資本整備や災害・防疫対応などの社会貢献活動に取り組んだ27協会・支部などと会員24社の優れた取り組みを掲載。事例集の活用によってさらなる普及促進を図るとともに、「地域の守り手」の役割を社会に正しく理解してもらい将来にわたる担い手確保を後押しする。

収録したのは昨年7月26日に東京都内で開いた「建設業社会貢献活動推進月間中央行事」で表彰した事例。社会貢献活動の事例内容を▽災害復旧支援▽地域活性化への取り組み▽環境美化・保全活動▽社会福祉活動▽建設業ふれあい活動▽建設業のイメージアップ・広報活動▽その他-の7つに分類しまとめた。

特に優れた事例に挙げたのが3件。岡山県建設業協会(荒木雷太会長)は建設業協会として全国で初めて新型コロナウイルスワクチンの職域接種を実施し、21年7月6~10月13日に病院や会員企業の事業所で計約7000人の接種を行った。会員企業や協力会社に勤める従業員や家族、100人を超える外国人労働者らを含め実施し、県内全体の接種率も引き上げた。

三重県建設業協会(山野稔会長)伊賀支部は、創設を働き掛けてきた地元の県立伊賀白鳳高校にある建築デザイン科との協力支援関係を紹介。生コンクリートや木材加工などに関する映像の制作やネット授業を展開してきた。昨年3月に建築デザイン科の第1期卒業生として39人を輩出し、そのうち5人が地元の土木・建築関連企業に就職した。引き続き地域の後継者や若年層の不足に対応していく。

富山市立大久保小学校の耐震補強工事を施工した前田建設(富山市)・スター総合建設(同)・牧野工業(同)JVは、21年9~10月に実施した現場でのSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに関する児童向け出前教室の成果を伝えた。SDGsの観点から耐震補強工事による効果を説明し、現場で徹底しているごみの分別やリサイクルの意義も強調。生きた学習教材として児童の興味や意欲の向上に貢献した。

事例集は各都道府県建設業協会に送付済み。全建ホームページ(http://www.zenken-net.or.jp/)にもアップロードしており、無料で閲覧できる。

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