2025/06/09 政府/第1次国土強靱化実施中期計画を決定、規模は毎年積み上げも

【建設工業新聞 06月 09日 1面記事掲載】

政府は6日の閣議で、「第1次国土強靱化実施中期計画」を決定した。2026~30年度の5カ年を事業期間とし、実施すべき326施策と推進が特に必要な114施策を示した。事業規模は「おおむね20兆円強程度」とし、資材価格や人件費の高騰を毎年の予算編成で「適切に反映する」としたほか、災害発生などに応じて「機動的・弾力的に対応」するとも明記した。政府・与党内には「20兆円強は最低水準。規模は毎年積み上げることになる」との見方もある。

同日開いた国土強靱化推進本部で石破茂首相は「実施中期計画を踏まえ、国土強靱化の着実な推進に向けて関係府省庁が一丸となって、強力に取り組みを進める」よう指示した。

坂井学国土強靱化・防災担当相は閣議後会見で「物価高騰は毎年度の予算編成時に反映する」と規模上乗せの可能性に言及。その上で「災害が切迫する中で対策が急がれる箇所も残っておりペースを緩めず継続的、安定的に対策を進めることが重要だ」と強調した。

中野洋昌国土交通相も閣議後会見で「予防保全型メンテナンスへの早期転換に加え、建設業の担い手確保への対応など関係省庁と連携しながら防災・減災、国土強靱化への取り組みを全力で進めていきたい」と意欲を示した。


□予算、毎年の戦いに/自民党国土強靱化推進本部長・佐藤信秋氏□

今起きても不思議ではない大災害に対し、最大限の努力をしなければならない。20兆円強は最低の数字だ。物価高騰の影響などを反映し、毎年必要な分をプラスアルファで積み上げる。できるだけ毎年度の当初予算の上積み分とし、補正予算でも措置する。これから毎年毎年の戦いだ。物価上昇を乗り越えながら経済も回す。公共投資、強靱化投資をやって初めて民間投資が動く。公共から手を差し伸べ投資を誘発し、民間も一緒に強靱化に取り組んでほしい。

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