2026/06/26 労研首脳が会見/安全管理水準のレベルアップ/熱中症対策、外国人への教育強調

【建設工業新聞 06月 26日 2面記事掲載】

建設労務安全研究会(労研)の細谷浩昭理事長、小澤重雄、稲直人、田中克志の3副理事長は24日に都内で会見し、今後の活動について「100年続くようなものにしていかなければいけない」などと語った。10月に発足80年を迎える。建設現場で働く外国人の安全教育やシニア世代の労働災害、熱中症対策などを課題に挙げ、会員の情報共有や安全管理水準のレベルアップにつながる対応を取っていく。

安全衛生委員会グッドプラクティス部会が「熱中症良好事例集」を策定中で7月に作業を終える。会員企業の好事例として103件を盛り込む予定で、細谷理事長は「かき氷や塩バナナ、ミストなど各社が工夫している。各社の良い取り組みを組み替えながら、水平展開することは非常に効果的だ」と発刊の意義を説明した。

稲副理事長は「熱中症がクローズアップされている状況で、厳しい環境で働きながら『大丈夫だろう』と思う人がまだいる」と課題を指摘。小澤副理事長も「重篤化は対処が遅れた結果であり、病院で診察を受け治療してもらうのが最善策だ」と述べた。

細谷理事長は、労災防止の課題として外国人を挙げた。労研の調査(4月1日時点)によると、作業所で働く4249人のうち552人(13%)が外国人だった。割合は増加傾向にある。言葉の壁や会話の理解度、文化の違いなどが課題で、約3割は意思疎通に不可欠な日常会話でハードルがあると分かった。細谷理事長は「日本語が理解できないと労災がさらに増加する可能性がある」と今後を懸念。「外国人に対する新しい教育、現場の実情に応じた指導とフォローも必要だ」との見解を示した。稲副理事長は「何もないところから建物を造る建設現場は一般作業と比べ危険も多い。言葉が話せず文字も読めない人材が来ても技術習得や安全教育はできない。受け入れる方法を考えないといけない」と課題を挙げた。

細谷理事長は、仕事の目的や最悪の事態を理解する「仕事の本質教育」の重要性を強調した。「何のために行うのかという仕事の目的や趣旨を意識する。この考え方は災害防止が基盤になる」と訴えた。さらに「人間は必ずミスをするという前提で、設備や機械、工具、方法を見直し、作業そのもののを安全化することが重要だ」と強調した。

5月18日の定時総会で就任した田中副理事長は「他会社の良い点を吸収し、自社に持ち帰ることに努め、業界全体で安全と労災防止に取り組みたい」と語った。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る