2012/11/06 中建審・社整審基本問題小委/技術者DB整備の方向性確認/負担増への配慮必要

【建設工業新聞 11月 6日 記事掲載】

 中央建設業審議会(中建審、国土交通相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)産業分科会建設部会合同の基本問題小委員会の6回目の会合が5日開かれ、技術者データベース(DB)の整備や建設業許可業種区分の点検・見直しなどについて、今後の法制度改正や新たな施策の検討を進める上での方向性を確認した。官民で取り組む建設労働者の社会保険加入促進対策では、工事価格に含まれる法定福利費の指標提示など民間発注者向けガイドラインの必要性を指摘する意見なども出された。
 
 
 会合では基本問題小委が今年1月に示した中間取りまとめの内容や、建設産業戦略会議がこれまでに打ち出した建設産業再生方策などを踏まえ、今後の取り組みや検討課題などについて意見を交わした。監理技術者証に代わって新たに技術者資格などを確認するための技術者DBの構築では、現場配置情報の登録主体や技術者側の負担などを留意点として提示。情報登録とその内容に責任を持つ技術者と、監理技術者をDBの登録者から選任する義務がある企業の関係を踏まえ、現場配置情報の登録主体を明確化する考えが示された。
 
 
 DBへの登録の手間や手数料などが技術者の負担増につながることを考慮してDBの登録項目や機能などを設定。現行の資格者証から技術者DBへの変更までの準備期間や経過措置を講じることも検討課題に挙げた。参加委員からは「技術者の流動化が進む中で、個人本位の制度検討が重要になる」といった意見が出され、市場によりオープンな形で制度設計を検討する必要性が示された。不良不適格業者や暴力団の排除徹底については、建設業法だけでなく、建設リサイクル法など関連法令も対象に追加。許可取得時の排除だけでなく、許可取得後に暴力団との関係が判明した場合に許可を取り消すことなど、法改正で加える対策の方向を確認した。


 同日の会合では、建設労働者の社会保険未加入対策や、公共工事の入札契約制度の現状を踏まえ、今後の課題なども整理。参加委員からは「保険加入対策で民間発注者にも(法定福利費の)概算を示すなど、ある程度まとまった段階でガイドラインを出す必要がある」「設計労務単価が実際の現場レベルで反映される仕組みづくりが重要」といった意見が出された。

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