2013/01/15 国交省/補正予算に10・5億円/建機購入に金利補助、災害復旧の迅速化狙い

【建設工業新聞 1月 15日 記事掲載】

 国土交通省は、地域の建設会社が災害発生時に使う建設機械を購入する際の資金調達を支援する制度を創設する。中小・中堅建設業の経営支援策の一環で、建設会社がブルドーザーなどを購入する際に借入金の金利の一部を補助する。建設会社の建機保有率を高め、災害時の迅速な復旧につなげる狙い。政府が11日に決定した緊急経済対策に明記。12年度補正予算案に10・5億円を計上する。
 
 
 地方では、公共事業の縮減で建設業の経営環境が悪化。建機を保有する企業が減り、工事を受注するごとにリース会社から借りるケースが増えている。国交省は災害復旧の遅れにつながりかねないこうした状況を改善するため、資本金20億円以下または従業員数1500人以下の中小・中堅建設会社向けに建機の購入支援制度を創設する。支援制度では、▽国や自治体と災害協定を締結している地域の建設業団体に加盟している中小・中堅建設企業(これらの協力会社を含む)▽国や自治体と直接災害協定を締結している中小・中堅建設企業(同)-がショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベルを購入する際、借入金の金利分の3分の2(上限4%)を補助する。
 
 
 国や自治体との災害協定締結の条件を満たす企業を含む事業協同組合などのグループが購入する際の金利の一部も同様に補助する。東日本大震災で建機を滅失し、国や自治体と災害協定を結んでいる企業については、ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベルに限定せず、ボーリング機械や舗装用機械など建設機械抵当法上の建機にも適用する。
 
 
 新制度は12年度補正予算成立後に建設業振興基金が運用する。受付期間は運用開始後から1年間。基本的には建機を購入した企業が振興基金に金利助成を申請し、審査を経て補助する。国交省によると、販売価格1100万円のブルドーザーを購入する際にかかる金利は約67万円。新制度を利用すればその3分の2が補てんされる。このほか、中小・中堅建設業の経営支援策として同省は、既存の「地域建設業経営強化融資制度」と「下請債権保全支援事業」の1年延長と資金の積み増しも決定。12年度補正で地域建設業経営強化融資制度向け2・6億円、下請債権保全支援事業向け5・4億円を積み増す。

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