2013/03/29 国交省/直轄工事でCIM導入/13年度はモデル工事7件、受注者提案でも試行

【建設工業新聞 3月 29日 記事掲載】

 国土交通省は、土木工事の建設生産システムの効率化を目指す「コンストラクション・インフォメーション・モデリング(CIM)」を、13年度から直轄工事で試行導入する。12年度に行った11件の設計モデル事業のうち、13年度に発注予定の7件を対象に設計時に作成した3次元(3D)モデルを活用。施工現場での業務効率化などの効果を検証する。一般工事でもCIMの試行導入を希望する施工者からの提案を求め、本格導入に向けた検証を急ぐ。
 
 
 13年度は、設計モデル事業の試行結果などを踏まえて工事段階での検証作業に本格着手する。13年度に着工する7件について、3Dモデルの活用と完成データなどを検証。設計時の3Dモデルの適用性や施工時に追加される3Dデータによる精度向上のほか、施工計画、工程・安全管理、品質、出来形管理、納品、協議、説明資料などの各工程・業務での導入効果を探る。
 
 
 個々のモデル工事での検証事項は、施工者と発注者間で契約後に協議して決定。検証費用(機器・ソフト等を除く)は契約変更で精算する。モデル事業以外の一般工事でもCIM活用の試行工事の実施を検討。請負契約後に施工者からの提案を受け、CIM活用(一部業務でも可)と検証の実施を決める。試行工事でのCIM活用状況に応じて、インセンティブの付与(成績評定の加点など)や検証費用の取り扱いを検討する方針だ。試行工事の対象として土工やRC構造物、舗装、PC、橋梁、トンネルなどの分野を挙げ、特記仕様書にCIM関連の試行内容を規定する。
 
 
 調査・設計業務についても、12年度と同様に10件程度のモデル事業を実施する考え。これまでは詳細設計業務の一部をCIMの活用対象としていたが、今後はすべての設計範囲を対象にするなど検証内容をさらに深める。測量や地質調査での試行も検討課題に挙げている。

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