2013/05/10 社会保険加入割合が上昇/国交省、労務費調査で確認/「促進策が効果」

【建設工業新聞 5月 10日 記事掲載】

 国土交通省は9日、12年10月に実施した公共事業労務費調査の際に行った社会保険加入状況の確認結果を公表した。建設会社約2万5000社、労働者約11万5000人を対象に行った調査の結果、保険加入割合は、雇用保険、健康保険、厚生年金とも、前年調査よりわずかながら上昇した。同省は「これまで取り組んできた加入促進策の効果が加入率の向上といった形で現れている」(土地・建設産業局建設市場整備課)としている。
 
 
 各保険の加入割合を見ると、企業では雇用保険が95%(11年10月調査94%)、健康保険が89%(86%)、厚生年金が89%(86%)。労働者では、雇用保険が75%(増減なし)、健康保険が61%(60%)、厚生年金が60%(58%)だった。三つの保険にすべて加入している割合は、企業が87%(86%)、労働者が58%(57%)となっている。労務費調査で社会保険への加入状況を調べたのは今回が2回目だが、同省は加入促進策に取り組んできた効果が現れているとみている。今後、各種対策が浸透していけば、加入率のさらに高まる可能性もある。
 
 
 労働者の3保険への加入状況を職種別に見ると、加入率が比較的高いとされている電工が90%(89%)、運転手(特殊)が79%(78%)、土木一般世話役が86%(84%)。逆に加入率が低いとされてきたとび工も47%(38%)、鉄筋工も42%(34%)、型わく工も41%(33%)、交通誘導員Bも21%(18%)といずれも上昇しており、特定の業種に限らず加入率が底上げされていることが分かった。
 
 
 元請と下請次数別では、元請の79%に対して、下請は1次が55%、2次が46%、3次以下が48%となっており、下請を中心に未加入割合が高い。都道府県別では、地方の加入率が比較的高いのに対し東京や神奈川など都市部が低い傾向にある。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る