2013/06/24 国交省/入札契約方式「多様化」へ品確法体系拡充/発注者責務に「担い手確保」

【建設工業新聞 6月 24日 記事掲載】

 国土交通省は、省内幹部で構成する「地域の建設産業および入札契約制度のあり方検討会議」(議長・鶴保庸介副大臣)の2回目の会合を開き、事業の特性に応じて多様な入札契約方式を選択できる制度への改革などについて、議論のたたき台を提示した。公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)で示している発注者の責務を拡大。品質確保に加え、中長期的な「担い手の確保」などにも配慮するとし、公共工事品確法の体系を追加・拡充する。たたき台をベースにさらに議論を深めた上で、7月以降、有識者会議の場で具体的な制度設計に入る。
 
 
 会合では、5月の初会合で提示した▽時代のニーズや事業の特性に応じた多様な入札契約方式の導入と活用▽ダンピング対策の強化、適正価格での契約の推進▽現場を支える技術者・技能者の確保・育成▽地域のインフラメンテナンス、災害対応等の的確な確保、将来的な品質確保-の4項目について、既に実施済みの施策を含めて具体的な取り組みの方向性を示した。
 
 
 たたき台によると、多様な入札契約方式では、大規模プロジェクトや技術的難易度の高い工事などを対象に、公募で最も優れた技術を持った企業を選定した上で、価格や工法などの交渉を行って契約する方式を導入。インフラの維持管理の高度化などの課題には、複数年契約や複数業務の一括発注、さらに共同受注方式などを導入することで対応する。東日本大震災の被災地で発注者支援として取り入れているCM方式の導入も検討する。ダンピングによる下請企業や職人へのしわ寄せ防止の観点では、元請企業によるコスト情報を開示するオープンブック方式や、下請企業などのコストを積み上げた上でその一定割合を元請のフィーとする「コスト&フィー方式」を検討することも提示した。


 公共工事品確法で原則化している総合評価方式については、施工能力を評価するものと、技術提案を求めて評価するものに二極化。過去の工事成績などで競争参加者を絞り込んで技術提案や入札書を提出してもらう段階選抜方式など、受発注者の負担を軽減する仕組みも取り入れる。会合で鶴保副大臣は、「どうすれば良い事業者を選別していけるか。アイデアを出し合って検討していきたい」と述べた。

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