2013/06/28 社会資本老朽化対策-副大臣会議が初会合/NETIS積極活用、自治体支援へ連携

【建設工業新聞 6月 28日 記事掲載】

 社会資本の老朽化対策に関する関係府省庁副大臣級会議(議長・鶴保庸介国土交通副大臣)の初会合が27日、国交省で開かれた。社会資本の戦略的な維持管理・更新を推進するために、関係府省庁が連携した取り組みを検討し、政府全体の対策の継続・発展につなげる。会議では、点検・診断技術の開発や掘り起こしを目的に、国交省が運用する新技術情報提供システム(NETIS)で技術情報を公表し、各府省庁が所管するインフラで積極的に活用することなどを確認した。
 
 
 会議は復興、内閣、総務、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、国交の各府省庁の副大臣と警察庁交通局長で構成。▽老朽化対策に関する制度▽老朽化対策に関する技術の活用▽次世代インフラの構築に関する取り組み-などをテーマに情報共有を図る。初会合で鶴保副大臣は、昨年12月に山梨県の中央自動車道笹子トンネルで天井板の崩落事故が起きて以降、国交省が省を挙げてインフラ老朽化問題に取り組んできたことを紹介。その上で、「各府省庁の皆さんの協力を得て大きな取り組みにしていかなければならないと考えた」と会議開催の経緯を説明した。さらに、安倍政権の成長戦略に「安全・便利で経済的な次世代インフラの構築」が盛り込まれたことも踏まえ、自治体にも取り組みを拡大させていきたいとの意向を示した。
 
 
 NETISの積極的活用は、早急に取り組む事項として提示された。非破壊検査技術などを利用した点検・診断方法を現場で積極的に活用し、適用範囲の拡大を図る。国交省は既に、道路トンネルの覆工コンクリートの浮き・剥離を検知する新技術の公募を始めるなどの取り組みを先行して始めており、さまざまな技術で同様の取り組みを行う考えだ。センサー技術やICT(情報通信技術)を活用したインフラのモニタリング技術も確立するため、国交省が7月に産学官をメンバーに設置する検討会議でニーズとシーズのマッチングを図る活動を展開。各府省庁も検討会議に参加し、情報を共有する。
 

 副大臣級会議での議論も踏まえて国交省は、今秋をめどに国全体を視野に入れた「インフラ長寿命化基本計画」を策定。その内容をベースに各府省庁や自治体が個別の長寿命化計画を策定することになる。

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