2013/06/28 国交省/技能者賃金、3カ月ごとに実態調査/7月から、毎月勤労統計など活用

【建設工業新聞 6月 28日 記事掲載】

 国土交通省は7月から、建設技能労働者の賃金水準についての詳細な実態調査を行う。民間調査機関が刊行している価格一覧や厚生労働省が発表する毎月勤労統計調査から賃金の実態を捉えられる指標を抜き出し、その動向を調べる。3カ月に1回のペースで実施することで、技能労働者に支払われる賃金水準の推移を見る。大幅に引き上げた本年度の公共工事設計労務単価が技能労働者の賃金に的確に把握されているかを把握するのが狙いだ。
 
 
 同省は、対象51職種の13年度設計労務単価を、全国平均(単純平均)で前年度より15%、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)では21%それぞれ引き上げた。4月18日には、これを踏まえて太田昭宏国交相が元・下請の業界団体トップに技能労働者への適正水準の賃金支払いを直接要請。就業者の高齢化や若手入職者の減少といった建設業界の構造的な問題の解決に向けて、官民が協力して取り組んでいくことを求めた。
 
 
 その際に太田国交相は、労務単価が的確に反映できる各種の措置を国交省としても講じていく方針も表明。国交省は、さまざまな相談に応じる「新労務単価フォローアップ相談ダイヤル」を今月12日に開設したのに続き、今後の労務単価にも的確に反映できるような現場技能労働者の賃金水準のきめ細かな実態調査を7月から実施することにした。
 

 3カ月ごとに行う実態調査では、震災被災地での技能労働者の実態を把握するために行っている調査も継続。既存資料から関連指標を抜き出して推移を調べるほか、実態を的確に捉えるために「必要に応じて業界に対して実情を聞くことも考えている」(建設市場整備課)としている。

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