2013/07/23 参院選与党圧勝/ねじれ解消、成長戦略に拍車/臨時国会で「強靱化3法」成立へ

【建設工業新聞 7月 23日 記事掲載】

 21日の参院選が与党の圧勝で終わり、国会の衆参ねじれ現象が解消された。昨年12月の政権交代以降、「三本の矢」を放つ形で打ち出されてきた安倍政権の経済政策「アベノミクス」が国民の信任を得た格好だ。今後、安倍晋三首相が「成長戦略実行国会」と位置付ける秋の臨時国会に向けて、6月に閣議決定した成長戦略に基づく取り組みに拍車が掛かる。太田昭宏国土交通相の主導の下で進める防災・減災、インフラメンテナンスといった施策にも一段と力が入ることになりそうだ。
 
 
 「1番目の矢が功を奏して(円高・株高などの)効果が目に見えて表れた。(今後の)財政政策と成長戦略に期待がかかっている。今回の結果は国民の皆さんの期待の表れ」。一夜明けた22日、徳島県の飯泉嘉門知事は参院選の結果をこう総括した。昨年12月の政権交代を経て打ち出されたアベノミクス。大胆な金融政策による1本目、機動的な財政政策による2本目、そして、民間投資を喚起する成長戦略という3本目の矢が放たれ、株価上昇、円高是正など効果が上がってきた。参院選では、こうした政策の効果と期待が与党を圧勝へと導いたことになる。
 
 
 衆参のねじれ解消を受けて地方からは「成長戦略を早急に具体化してもらいたい」(大村秀章愛知県知事)と期待の声が上がった。今後の政策運営の中で与党は、成長戦略関連法案を秋の臨時国会で審議するのに加え、設備投資減税などを盛り込んだ成長戦略第2弾も打ち出すとみられる。臨時国会ではさらに、与党が通常国会終盤で提出した「防災・減災等に資する国土強靱(きょうじん)化法案」「南海トラフ地震対策特別措置法案」「首都直下地震対策特別措置法案」の強靱化3法案も成立を目指すことになる。
 

 景気浮揚の観点から補正予算編成による追加財政支出を求める声が一部から上がっている。国交省幹部は「将来にわたって安定的に事業が行われることを国民に提示していくことが大事」と指摘し、景気対策で事業費を急拡大させ、その後に大幅な予算削減が行われるような事態をけん制。「2%のインフレ目標に合わせて公共事業費も緩やかに伸ばしていくことが必要だ」とした。「補正予算に依存せず、当初予算で必要経費を確保することが大切だ」といった声も上がった。

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