2013/07/29 国交省/多様な入札契約方式、13年内に方向性/自治体向けモデル事業創設も

【建設工業新聞 7月 29日 記事掲載】

 国土交通省は26日、中央建設業審議会(中建審)と社会資本整備審議会(社整審)合同の基本問題小委員会(大森文彦委員長)を同省で開き、公共工事に導入する多様な入札契約方式の制度設計に向けた議論を始めた。会合前の閣議後の記者会見で太田昭宏国交相は、「年内に一定の結論を得る」と明言した。並行して同省は、コンストラクション・マネジメント(CM)方式のような新方式を広げていくために、モデル的な取り組みを行う自治体を支援する検討にも入った。  

 今回の制度改革の議論は、これまでの画一的な入札契約方式を改め、事業の特性に応じてさまざまな方式を選択できるようにすることが狙い。会合で同省は、▽公募で優れた技術を持つ企業を選定して価格や工法などの交渉を行った上で契約する方式▽地域のインフラの維持管理に適した方式▽総合評価方式の施工能力評価型と技術提案評価型への二極化や段階選抜▽ダンピングや下請・職人へのしわ寄せを防止する仕組み▽CM方式の拡大-などの論点を列挙した。今後小委で具体的な検討を進めていく。公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の体系を拡充することも視野に入れて議論。法改正も想定して年内をめどに結論を得る。  

 制度面の議論と並行して同省では、新たな方式に挑戦的に取り組もうとする自治体を支援するモデル事業を創設する検討を始めた。契約に詳しいコンサルタントを自治体に送り込み、新たな方式を実現するための契約書や仕様書づくりを支援しながら、導入上の課題を整理する。複数のモデルの成果を「他の自治体が参考にできる事例集にまとめ、水平展開できるようにしたい」(建設業課)としている。14年度予算の概算要求に向け、事業スキームなどを詰める。  

 直轄工事についても新たな方式の先導的な導入に向けた検討を早急に実施することにしている。太田国交相は記者会見で、基本問題小委での議論について、人材確保や防災・減災、メンテナンスの円滑な実施に向け、「入札契約方式の見直しや若手技術者の確保・育成方策など、建設産業が直面する課題を検討する」と強調した。

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