2013/08/19 全中建/技能労働者処遇改善の周知徹底へ具体策検討/市町村の対応状況調査も

【建設工業新聞 8月 19日 記事掲載】

全国中小建設業協会(全中建、松井守夫会長)は、技能労働者の処遇改善などに向けた対応策の原案をまとめた。技能労働者への適切な賃金の支払いや社会保険加入促進のさらなる周知・徹底を図るため、建設業振興対策委員会と労働資材対策委員会の合同委員会を設け、具体策を検討する。市区町村における対応状況の調査も行う。全中建は、地方自治体では公共工事設計労務単価が引き上げられても依然として歩切りを実施し、受注環境の改善に至っていないケースがあると見ている。このため実態を把握し、指導の実施などを国に対して要望していく。  

12日に全中建幹部が会見し、原案を発表した。9月4日の理事会で正式決定し、会員に協力を求めていく方針だ。会員団体・企業への周知・徹底では、各地区で全中建幹部らとの意見交換会を実施するとともに、アンケートで課題を抽出する。  

アンケートでは、会員企業に下請企業も含めた浸透状況や、技能労働者の処遇改善などに対する問題意識、該当地域の地方自治体の対応状況を聞き、今後の対策に反映させる。地方自治体に関しては、設計労務単価の引き上げの徹底状況を把握するほか、最低制限価格や歩切りの実態なども調べる考えだ。  

会見で松井会長は、「(適切な賃金の支払いは)徹底しなければならない。調査結果を踏まえ、地方自治体に対して、きめ細かく要望をしていく。来年度予算に反映してもらえるよう動きたい」と語った。豊田剛副会長は、「全中建では市町村(の労務単価)が上がらないと対応できない。問題点を訴えていきたい」と述べた。小野徹副会長は、「労務単価が引き上げられても、歩切りなどが行われることがあり、実態が見えない」と、現状把握の重要性を指摘。後藤文好副会長も「労務単価は上がっているが市町村では歩切りも多い。調査結果を国交省に出して対応を求めていく」と語った。

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