国土交通省は１４年度の税制改正要望をまとめた。都市再興への都市機能整備のための特例措置や、既存建築物の改修投資促進への特例措置を創設する。首都直下地震や南海トラフ地震に備える鉄道施設耐震化への特例措置も創設する。住まいの質向上へ、新築住宅に関する固定資産税の軽減や、認定長期優良住宅に関する特例措置は延長を求める。

都市機能の整備のための特例措置では、コンパクトシティー推進に向け、都市機能を誘導すべき区域の外側から内側への事業用資産の買い換えや、都市機能整備管理法人（仮称）への土地譲渡に対し、所得税、法人税、固定資産税を減免する措置を求める。老朽マンションの建て替え促進では、区分所有権の移転に対する登録免許税の特例延長を要望する。耐震性に劣る老朽マンションに対しては新たな権利調整ルールを創設し建て替えを支援する。

既存建築物の改修投資促進に向け、所得・法人・法人住民・事業・固定資産の各税を軽減する特例措置の創設も盛り込んだ。耐震や省エネ、バリアフリー化など、既存建築物（非住宅）の改修投資を促し、既存建築物の性能の抜本的な向上を図るのが狙い。増改築時に省エネやバリアフリー化を求める。認定長期優良住宅については、登録免許・不動産取得・固定資産税の特例措置を２年延長するよう要望。新築住宅の固定資産税の特例措置も２年延長を求める。消費税負担の増加による住宅取得意欲の減衰を防ぐ狙いだ。

鉄道事業者が首都直下地震や南海トラフ地震を想定して耐震対策を行う場合の特例措置も要望。乗降客が１日１万人以上の駅や、緊急輸送道路と並行・交差する区間の高架橋などの耐震化を促す。このほか、中央新幹線の不動産取得に関する非課税措置（登録免許・不動産取得）の創設や、認定低炭素住宅に関する特例措置（登録免許税の減税）の延長、中小企業者が機械を取得した場合の特別償却制度・税額控除制度の拡充・延長、災害時の帰宅困難者対策の特例措置（法人・所得・固定資産税）の創設なども求める。