2013/09/19 国交省/多様な入札方式の体系イメージ案提示/高難度工事に「提案・交渉方式」

【建設工業新聞 9月 19日 記事掲載】

国土交通省は18日、公共工事への導入を想定する多様な入札契約方式の体系イメージ(案)を中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会(大森文彦座長)に提示した。受注者選定で競争性のある方式を「技術を評価して価格等を交渉する方式」「技術と価格を評価する方式」「価格のみを評価する方式」に類型化。競争性のない随意契約(非競争型)を含めて各発注者が事業の性格や地域特性などに応じて適当な方式を選択できるようにする。

大規模で技術的難易度が高い工事には「技術提案競争・交渉方式(仮称)」の導入を提案した。民間の技術力を最大限に生かす工事や維持管理への導入を想定している。まず公募で最も優れた技術を持つ企業を選定して交渉権者を決め、選定した企業との施工方法などの確認や価格交渉を経て予定価格を設定した後に契約する。国交省は多様な入札契約方式の導入・活用を進めることで、中長期的な担い手の確保や行き過ぎた価格競争の是正、地域のインフラメンテナンスや維持管理、発注者のマンパワー不足、受発注者の負担軽減といった課題に対応する考えだ。

体系イメージ案は、年末に一定の方向性を出すために基本問題小委が進める議論のたたき台として提示。公共工事品質確保促進法(公共工事品確法、05年4月施行)で本格的な活用が始まった技術と価格を評価する総合評価方式、施工力や技術力などで評価が困難な工事向けの一般競争入札や指名競争入札といった価格で評価する方式に加え、技術を評価して価格などを交渉する新たな方式を含めた選抜方式を類型化した。これらと契約対象範囲や請負代金の決め方、請負代金の支払いプロセスなどを組み合わせて、最適な入札契約方式を選択できるようにする。

こうした多様な方式の体系の中から、地域維持や災害対応などを行うために「複数年契約」や「複数工種・工区一括契約(仮称)」の活用拡大や、東日本大震災の被災地で発注者を支援する目的で取り入れたコンストラクション・マネジメント(CM)方式の導入などを検討する。さらに、中長期的な品質確保の観点から、若手技術者の確保状況などの評価を経営事項審査、競争参加資格審査、入札契約の各段階で充実させることも視野に入れている。

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