2013/10/02 政府/12月にも5兆円規模の経済対策/14年4月の消費税率引き上げ受け

【建設工業新聞 10月 2日 記事掲載】

安倍晋三首相は1日、14年4月1日に消費税率を5%から8%に引き上げることを正式に表明した。政府が同日、閣議決定した「消費税率および地方消費税率の引き上げとそれに伴う対応について」では、景気の下ぶれリスクに対応するため5兆円規模の経済対策を盛り込んだ経済政策パッケージを策定。税収増を社会保障の充実・安定化に充てるだけでなく、長引くデフレ経済からの脱却と経済の再生に向けた取り組みをさらに強化するとした。

経済政策パッケージの柱の一つである新たな経済対策は5兆円規模とし、3%の消費税率引き上げによる影響の大幅な緩和を狙う。その中で、競争力強化策、高齢者・女性・若者向け施策、復興・防災・安全対策の加速などに対応するための13年度補正予算を14年度予算と併せて編成する方針を掲げた。景気や税収の動向を見極めた上で、12月上旬にも新たな経済対策として取りまとめる。

復興・防災・安全対策の加速では、被災地の災害復旧だけでなく、地域経済に配慮した社会資本の老朽化対策、学校施設の耐震化などを掲げ、復興特別法人税を廃止する場合には復興財源を補てんすることも明記した。競争力強化策としては、▽中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投資支援策▽エネルギーコスト対策▽東京五輪対応などの交通・物流ネットワーク整備▽競争力強化・イノベーションにつながる重点課題の研究開発▽地域活性化のための農業の6次産業化の推進-などを掲げた。

パッケージでは成長力底上げのための施策として、成長戦略関連施策の当面の実行方針と投資減税を指示。国家戦略特区関連法案や産業競争力強化法案を次期国会に提出する。経済の好循環の実現に向け、13年度に創設した所得拡大促進税制の拡充や、復興特別法人税の廃止1年前倒しなどを検討するとし、賃金上昇につながる方策と見通しを踏まえた上で12月中に結論を得るとした。このほか、住宅取得者への給付などもパッケージの柱の一つとした。総額約3100億円の給付措置として、給与収入約500万円以下の住宅購入者に10万~30万円を給付する。被災地での住宅購入者には標準的な負担増加額を給付する。

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