2013/10/16 臨時国会スタート/政府、戦略特区法案提出/強靱化3法案審議も焦点

【建設工業新聞 10月 16日 2面記事掲載】

第185臨時国会が15日召集された。会期は12月6日までの53日間で、政府は国家戦略特区法案や産業競争力強化法案などの早期成立を目指す。このほか建設関連では、先の通常国会に与党からの議員提案として提出された国土強靱(きょうじん)化関連3法案(国土強靱化基本法案、南海トラフ地震対策特別措置法案、首都直下地震対策特別措置法案)の審議が大きな焦点となる。

今臨時国会は、衆参の「ねじれ」が解消した7月の参院選後では初の本格論戦となる。安倍晋三首相は「成長戦略実行国会」と位置付けており、政府は経済の再生に向けた産業競争力強化法案や投資減税関連法案などの早期成立を目指すことになる。

国土交通省が提出するのは、「交通政策基本法案」「海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法案」の2本。このほか建設業関連では継続審議の独占禁止法改正案などがある。

安倍首相は15日午後の衆院本会議で行った所信表明演説の中で、「金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢からなる『アベノミクス』で世の中の空気を一変させた」と昨年末の政権交代後に取り組んだ経済政策の成果を指摘。その上で、「デフレからの脱却はいまだに道半ば。この道を迷わずに進むしかない」と強調し、「実行無くして成長なし。しっかり結果を出し、力強く成長する姿を世界に発信しよう」と訴えた。

さらに、東日本大震災からの復興の取り組みを一段と加速していく方針を表明。「強い経済を取り戻すことが被災地にも大きな希望の光をもたらす」と強調した。現在も29万人が避難生活を送る被災地の復興については、高台移転のほぼすべての計画が決定し、用地取得や造成工事の段階に移ったと説明。今後は「市町村ごとの『住まいの復興工程表』を着実に実施していく」とした。復興加速と併せ、将来の大規模な災害に備えた「強靱な国づくりを進めていく」とも明言した。

一方、野党側は、福島第1原発事故の汚染水対策への政府の取り組みを問題視。国会論戦で追及する構え。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉や、消費税率の8%への引き上げなどに対しても政府側に明確な説明を求めていく方針だ。

このほか政府提出法案には、▽会社法改正案(法務省)▽持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進法(厚生労働省)▽農地中間管理事業推進法(農林水産省)▽電気事業法改正案(経済産業省)-などの新規案件などがある。

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