2013/11/18 国交省/下請取引実態調査結果/適正回答業者数が過去最高、法令順守の指導浸透

【建設工業新聞 11月 18日 2面記事掲載】

国土交通省は15日、全国の建設業者約1万6000業者を対象に実施した本年度の下請取引等実態調査の結果を発表した。建設業法上の指導を行う必要のない「適正回答業者」の数は401業者と全体の3・4%。前回調査の305業者、2・4%に比べて上昇し、現在の調査が始まった08年度以降で最高となった。国交省は、法令順守に向けて指導する取り組みの効果が確実に現れているとみている。指導が必要な業者には指導票を送って改善措置を講じるよう求めたほか、立ち入り検査などで適正取引への取り組みを徹底するよう促す。

調査結果によると、下請に見積もりを依頼する際、書面で内容を示している業者の割合は、大臣特定業者が9割を超えていたのに対し、知事一般業者が6割台にとどまり、依然として許可区分で差があることが分かった。見積もり依頼に当たって、請負代金以外に契約書に記載すべき13項目すべてを提示している業者は全体の12・8%。工事内容や工期を提示していても、それ以外の項目の提示は総じて低くなっている。

下請契約の締結方法でも、適正に契約している業者の割合が大臣特定業者では約90%だったのに対し、知事特定業者は約70%、さらに知事一般業者になると約40%にまで下がるなど許可区分によって分かれた。知事一般業者で口頭による契約を実施している業者の割合は16・9%となっており、書面契約が徹底されていないことがあらためて分かった。

元請から下請への不当なしわ寄せ行為があったかを聞いたところ、「ある」と回答した業者は15・7%と前回調査(14・6%)を1・1ポイント上回った。不当な行為では「工事着手後に契約」(31・5%)が最も多く、「指し値」(23・5%)、「書面による契約締結の拒否」(22・5%)が続いた。前回調査から追加した「消費税転嫁拒否」は3・9%と前回調査(6・4%)を下回ったが、来年4月からの消費増税が反映される来年度調査でどのような結果が出るかが注目される。

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