2013/12/26 国交省/自治体と入札不調・不落対策で意見交換/予定価格と実勢のかい離解消へ

【建設工業新聞 12月 26日 1面記事掲載】

国土交通省は、地方自治体が発注する大規模建築工事の入札で目立つ不調・不落への対策について、地方整備局単位の意見交換を始めた。24日の近畿を皮切りに年明けまでに全国8地区で開催。予定価格が実勢とかい離しているとの指摘があることを踏まえ、業者やメーカーから見積もりを取った上での単価設定や、契約後の資材・労務費の高騰に合わせたスライド条項の活用などについて意見を聞き、早期に対策を実行に移せるようにする。意見交換には管内の都道府県・市町村に参加してもらい、国交省が検討中の対策を提示して意見や情報を交換する。

大型建築で目立つ不調・不落は、予定価格の算定に用いる単価が市場取引価格とかい離していることが原因とされる。同省が検討中の対策は「予定価格を直近の取引価格に近づけること」(青木由行建設業課長)が基本となる。入札日直近の最新単価による予定価格の設定を徹底。予定価格を事前公表する場合も、直近の実勢単価に基づき修正した予定価格をあらためて公告するよう求める。

材料価格、複合価格、市場単価の設定に当たって専門工事業者・メーカーに見積もりを求め、経済環境の変動も踏まえて予定価格を設定するよう要請。最新単価を適用しても不調・不落となった案件では、入札参加者に見積もりを提出させる方法なども活用するよう求める。さらに契約後の価格変動に対応したスライド条項の適切な運用を徹底。発注の前提とした設計図書に基づく数量、施工条件などが施工実態とかい離している場合には、見直しを図ることも徹底させる。

これらの対策を実施する上で国交省は、各整備局の営繕部に置く「公共建築相談窓口」を活用。公共建築工事の予定価格設定に関する相談受け付けも始める。同省は、各地区での意見交換を通じ、「自治体に対策を理解してもらい、実効が上がるようにするためにも、精力的に働き掛けていきたい」(入札制度企画指導室)としている。

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