2014/1/20 経産省、国交省、公取委/消費増税の適正転嫁を要請/調査で「買いたたき」判明

【建設工業新聞 1月 20日 1面記事掲載】

経済産業、国土交通両省と公正取引委員会は17日、建設業101団体に対し、消費税の円滑で適正な転嫁を求める要請文書を出した。経産省と公取委が15万事業者を対象に行った調査で、4月1日の消費税率引き上げに伴い、中小企業との取引で増税分の上乗せを拒む違法な「買いたたき」の可能性がある事業者の存在が判明。文書では、各団体の会員企業に対し、転嫁拒否を行うことのないよう周知することを求めるとともに、違法事業者に対する立ち入り検査を行うことも伝えた。

約1万社の回答を集計した調査結果では、買いたたきの可能性がある事業者が268社に上り、その4分の1に当たる69社を建設業者が占めていることが判明した。要請文書では、4月1日の税率引き上げで中小企業や小規模事業者を中心に増税分の価格への転嫁に対する懸念が出ていることを踏まえ、昨年10月1日に消費税転嫁対策特別措置法が施行された経緯を説明。その上で、今回の調査結果から違法行為が行われる可能性があることを示し、適切な措置を講じるよう求めた。

経産省と公取委は、建設業以外の製造業者などにも同様の要請を出しており、事業所への立ち入りを通じて、違法行為が確認された場合、被害額返還などの指導を行うとしている。茂木敏充経産相は同日の記者会見で、「違法事案が明らかになった場合は、公取委による是正勧告や社名公表を含めて厳正に対処する」と強調した。

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