2014/2/21 日建連・中村満義会長/賃金適切化要請、引き続き強力に/労務単価引き上げ受け

【建設工業新聞 2月 21日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連)の中村満義会長は、20日の理事会後の記者会見で、国土交通省が公共工事設計労務単価の再引き上げを行ったことを踏まえ、「労務賃金等改善推進要綱に基づき、下請に対する適切な労務賃金の支払い要請などを引き続き強力に行っていく」と表明した。

山内隆司建築本部長は「(技能労働者の処遇改善への)雰囲気が盛り上がっている。日建連としても襟を正して対応しないといけない」とする一方、「民間建築工事を見ると、これで本当に末端の作業員に賃金が払えるのかと思うような札が入っている」とも指摘。「機会あるごとに訴えていきたい」と述べた。

処遇改善と併せ、人材確保策の一環として国が検討している外国人受け入れ拡大のための技能実習制度見直しについて、中村会長は「技術移転のために研修期間を延ばすことはウエルカムだ。ただ、『労働者が不足しているから外国人』というのは、少し違うのではないか」と指摘。山内本部長も「魅力ある賃金を提示すれば(技能労働者は)建設業に戻ってくる」と強調。「外国人労働者の問題は建設業だけの問題ではない。国民的合意でしっかりとコンセンサスを得ながらやっていくべきだ」とも述べた。

宮本洋一土木本部長は、「研修期間の延長などは、特効薬にはならないが助けにはなる。しかし(技能実習生は)末端労働者ではない。東北に集中的に持って行くのは難しいのではないか」との見方を示した。今井雅則労働委員長も「助けにはなるが、全体からすると大した数字にはならない。建設業の魅力を高めて(労働者に)来てもらうことが常とう手段」との見解を示した。

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