2014/2/26 国交省/保険未加入業者、入札公告に排除明記/1次下請は台帳でチェック

【建設工業新聞 2月 26日 1面記事掲載】

国土交通省が直轄工事の元請と1次下請業者から社会保険未加入業者を排除するスキームの概要が固まった。入札公告の段階で未加入業者を排除することを明記。元請となる落札者が決まった後、社会保険加入を条件に請負契約を結ぶ。1次下請業者の加入状況は、元請が作成する施工体制台帳の記載事項からチェックする。一定の周知期間を置いた上で14年度中に一斉に取り組みをスタートさせる。27日の中部地区を皮切りに全国で順次開催する「公共事業の円滑な施工確保対策等に関する説明会」でこのスキームを提示する。

公共工事の元請と1次下請から社会保険未加入業者を排除することは、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)が合同で設置した基本問題小委員会(大森文彦委員長)が1月にまとめた「当面講ずべき施策」の中に明記されている。これを受け国交省では、再度の引き上げを行った公共工事設計労務単価を2月から適用したのに合わせ、高木毅副大臣が14年度中に直轄工事で社会保険未加入業者の排除措置を講じるよう指示した。設計労務単価には社会保険料相当額が含まれているためで、未加入業者を排除する具体的な方法を検討してきた。排除スキームのうち、施工体制台帳の確認で1次下請の未加入が判明した場合には、請負契約を破棄することなく工事は続行。工事成績評定などで何らかのペナルティー措置を講じることになりそうだ。

公共事業の円滑な施工確保対策等に関する説明会は、2月から3月にかけて地方自治体の担当者と業界団体向けに全国8ブロックで開く。説明会では、未加入業者排除の開始時期を含めて提示する予定だ。一定の猶予期間のうちに未加入業者には加入を促す。説明会では、同省直轄工事と同様の取り組みを自治体にも求める。

説明会ではこのほか、自治体や業界に要請した公共工事の円滑な施工確保に向けたパッケージ策を解説し、直轄事業での取り組みも紹介。改定した設計労務単価の適用もあらためて周知し、技能労働者の賃金水準の適正化を要請する。営繕工事の不調・不落対策、4月の消費増税に備えた転嫁対策も説明する。14年度に導入する「多様な入札契約方式のモデル事業支援業務」も取り上げ、モデル的に新たな方式を実施する自治体を支援する仕組みを説明し、積極的な参加を呼び掛ける考えだ。

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