2014/5/12 日建連/円滑施工・担い手確保で会員意向調査結果/積算・工期設定に課題

【建設工業新聞 5月 12日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は、円滑な施工と担い手(技術者・技能者)の確保に関するアンケートの結果を明らかにした。理事会社のうち建築専業を除く45社を対象に実施。人手不足、積算と実勢価格のかい離、設計変更などを問題視する回答が多く寄せられた。アンケートは13日に始まる公共発注機関との意見交換会に備えて実施した。日建連は会員が挙げた課題を優先して議論を求めていく。

アンケートでは、工事を進めるに当たっての問題として13課題・33事例が報告された。回答割合は、▽人手が不足している▽若齢の技術者・技能者が少なく技術の伝承ができない▽ダンプトラックや骨材などが不足している―の順で多かった。公共投資の削減が長期化し、担い手を確保しにくい状況が続いてきた中で建設市場が急拡大し、担い手不足と資機材供給のひっ迫が深刻化していることがあらためて浮き彫りになった形だ。

「積算が実勢価格とかい離している」との回答は8割を超えており、労務賃金や資機材価格の機動的な調査と積算への反映を求める会員が多い。工期を課題に挙げた回答も目立ち、急速施工に伴う増加費用の支払いや、工事の一時中止によって生じた費用の負担をめぐる不満が根強いようだ。「現場条件が設計に反映されていない」「変化に対応した設計変更が行われない」といった問題を訴える回答も多かった。

日建連はアンケート結果を踏まえ、▽実勢価格の適正かつ早期の反映▽工期の適切な設定▽工期の根拠の明確化▽工事一時中止措置の適切な運用▽設計変更・インフレスライド条項の確実な実施▽担い手の確保・育成―などを発注者への要望または発注者と共同して取り組む方策に設定。意見交換会で議論することにしている。

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