2014/8/27 厚労省/中小の担い手確保へ助成金拡充/定着率向上で「ボーナス」も

【建設工業新聞 8月 27日 1面記事掲載】

厚生労働省は15年度、中小建設業の担い手確保策や訓練などを助成する「建設労働者確保育成助成金」を大幅に拡充する。一部で助成対象を大企業までに拡大。助成金を活用して確保・育成策に取り組み、定着率や入職率の目標を達成すれば、ボーナスに相当する追加助成を行う。女性の入職・定着を促進するメニューも追加。各都道府県で10社程度の処遇改善を実現する新規事業も別途立ち上げる。関連経費を15年度予算の概算要求に盛り込む。

建設労働者確保育成助成金の既存メニューのうち、職務や職能に応じた評価・処遇制度や研修制度などを導入する中小企業を支援する「雇用管理制度コース」の対象を中小企業以外にも拡大。さらに、企業ごとに設定する定着率や入職率の目標を達成した場合、成功報酬として60万円を追加で助成する仕組みも創設する。計画期間が終了してから1年後の定着率や入職率で判断する。

富士教育訓練センターなど建設分野の広域的な職業訓練法人への経費助成の年間限度額も引き上げる。現在は最大9000万円だが、1億0500万円まで助成する。中小企業を対象に、現場見学会など若年労働者の入職・定着事業の経費を助成する「若年者に魅力ある職場づくりコース」も拡充。中小企業以外にも助成し、女性の入職・定着につながる事業も新たに助成対象とする。

助成金とは別に、建設や介護、看護、保育など人材不足分野で処遇改善を横断的に取り組む事業も始める。建設分野では、都道府県単位で業界団体などに事業を委託。受託団体は、日給制から月給制への移行、退職金制度の整備といった企業の処遇改善を支援する。都道府県ごとに10社程度の処遇改善を目指す。改善効果を評価し、事例集などを通じて普及展開も図る。建設分野で必要な予算として約7億円を概算要求に盛り込む。

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