2014/10/01 政府/品確法・入契法、基本方針と適正化指針が決定/ダンピング防止、歩切り根絶

【建設工業新聞 10月 01日 1面記事掲載】

政府は9月30日の閣議で、先の通常国会で成立した改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく基本方針と、改正公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく適正化指針を正式決定した。ダンピング受注防止を発注者の責務に位置付け、予定価格を根拠なく引き下げる「歩切り」の根絶を明記。建設業の担い手確保・育成の取り組みも規定した。国や地方自治体などの公共発注機関には、これに沿った措置を講じる努力義務が生じる。=8~10面に基本方針・適正化指針の全文

公共工事品確法の基本方針では、受注者が担い手確保・育成に必要な適正利潤を確保できるような予定価格を設定することを規定。その具体策として、歩切りの禁止徹底や見積もり活用などを盛り込んだ。歩切りについては、入契法の適正化指針でも法律違反行為になるとして根絶を定めた。ダンピング受注の防止では、基本方針と適正化指針とも低入札価格調査制度や最低制限価格の適切な活用を規定した。

改正公共工事品確法で、初めて法律上に明記した多様な入札・契約方式の導入・活用については、「技術提案・交渉方式」「段階的選抜方式」「地域における社会資本の維持管理に資する方式(複数年契約、複数工事一括発注、共同受注)」を列挙。これらを含む多様な方法の中から工事の性格や地域の実情などに応じて最適な方法を選択または組み合わせるとした。

公共工事品確法の規定に基づき、国は実勢を反映した公共工事設計労務単価の設定や適正な予定価格を定めるための積算基準の検討を実施。調査や設計の品質確保に向けた資格制度も確立する。発注者の共通ルールとなる運用指針も年内に策定し、各発注者の実施状況を継続的に把握するとした。

閣議決定を受けて国土交通省などは、低入札価格調査制度などを未導入の自治体に導入を要請。歩切りの実態調査を通じて現状を把握し、違法行為が見られる自治体への個別の説明聴取や発注者名の公表にも踏み切る。

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