2014/10/09 全建/低入札調査基準額の設定幅撤廃を要望/適正利潤確保に不可欠

【建設工業新聞 10月 09日 1面記事掲載】

7日に東京都内で開かれた全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省などによる関東甲信越地区のブロック会議で、全建側は改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の適正運用や、工事発注の平準化、低入札価格調査基準額の引き上げなどを要望。国交省は、施工者が適正利潤を得ることに配慮する同法の趣旨を積算基準の見直しに反映することや、翌年度に繰り越す工事の対象を幅広くとらえ、工事発注の平準化に努める考えを表明した。

同法に関して全建は、▽工事発注の平準化▽予定価格を根拠なく下げる「歩切り」の撤廃▽低入札価格調査基準額の引き上げ▽週休2日制に配慮した工期設定―などを申し入れた。国交省の担当者は、発注平準化について、「繰り越し(工事の)の幅を広くし、本年度は4~6月の工事量を確保した。来年度も続けられるよう工夫したい」と回答し、予算当局との折衝に意欲を見せた。

自治体の一部にあるとされる歩切りに対しては、閣議決定された入札契約適正化指針の改正内容を踏まえ、「(歩切りは)公共工事品確法に違反と明記した。公共発注機関への要請を考える」と対応を一段と強化する方針を明らかにした。

低入札価格調査の基準額について全建は、積算価格に対する基準額の設定幅(70~90%)の撤廃を要望した。背景には、基準額を一定の計算式で算出した結果、設定幅を超えても設定幅に収めてしまうケースがあるという問題がある。全建は「(利潤確保をうたった)公共工事品確法の理念と合わない」と指摘し、是正を求めた。設定幅は、国交、財務両省の協議で決めており、国交省は「適正利潤の確保へ予定価格が引き上げられれば、基準額も連動して上がる効果がある」と答えた。

全建は、10月末まで全国9カ所で地域懇談会・ブロック会議を行う。この議題は別のブロックでも議論されることになりそうだ。

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