2014/11/28 国交省/施工能力評価型のI・II型選定方法検討/整備局間のばらつき回避

【建設工業新聞 11月 28日 1面記事掲載】

国土交通省は、施工能力評価型の総合評価方式で、入札参加者に施工計画の提出を求める「I型」と提出を求めない「II型」を採用する工事の選定方法を検討する。I型とII型の選定で地方整備局間のばらつきが大きく、施工計画を求めなかった工事の成績が著しく低くなるケースがあることも判明したためだ。工種・難易度によって品質が低下する傾向があることも考慮し、I型を適用する場合の考え方を整理。I型とII型のどちらを選択するかの判断材料を提供する。  

  施工能力評価型は、13年度に本格的な運用が始まった総合評価方式二極化による新方式の一つ。同省直轄工事を対象にした集計では、13年4~12月にI型が全体の31%、II型が64%だったものが、14年1~7月にはI型が28%、II型が67%と、施工計画を求めない工事の比率が高まっている。II型を採用した13年度の工事では、堤防、機械設備、護岸、道路維持といった工種で工事成績評定点が65点未満となるケースが発生した。65点未満の工事は、次回の入札で施工実績とは認められなくなる。成績評定点がI型の最低点を下回る工事は、PC、土工、河川維持、アスファルト舗装、通信設備などでも発生した。  

  国交省はこうした状況を踏まえ、施工計画を求めて企業の技術力を評価する必要があるかどうか、品質確保の視点も加味した判断材料を各地方整備局に提示できるよう、考え方をあらためて検討することを決定。27日に開いた「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)に報告した。  

  施工計画を提出させる場合の求め方や審査の仕方も併せて検討する。「可」と「不可」の2段階で行う施工計画の評価も、各地方整備局によってばらつきが大きいことが判明したためだ。不可とする比率が低い整備局が発注した工事の方が成績が低くなるケースが多いことを踏まえ、審査基準を明確化して各整備局間で共有。工事の性格などに応じた審査方法を本省で整理し、各整備局の取り組みに反映させる。工事のどの部分について施工計画の提出を求めるかについても、整備局間のばらつきがなくなるよう情報の整理と共有を図る。  

  同日の会合で山田邦博官房技術審議官は「二極化の課題を検証し、改善を図っていきたい」と述べた。議論では、施工能力評価型をめぐる課題に加え、技術提案評価型のあり方についても検討を深めるべきだとの意見が複数の委員から出た。

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