2015/03/04 国交省/発注者協議会、全都道府県に設置完了/品確法運用指針で支援・連携

【建設工業新聞 3月 3日 1面記事掲載】

国土交通省は、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく発注者の共通ルールとして国が定めた「運用指針」の4月適用開始に向け、全都道府県にすべての市町村が入る「発注者協議会」を設置した。適正な予定価格や工期の設定、歩切りの根絶、ダンピング受注の防止など運用指針に沿った発注関係事務に市町村などが取り組めるよう支援や連携を図るのが狙い。発注者共通の課題に対応し、各種施策を推進する体制が整った。

地域ブロックごとに組織されている「地域発注者協議会」の下に都道府県単位の協議会を置いた。ブロック単位の協議会の規約を改正するなど手続きを既に完了。各地方整備局長から管内の全都道府県と市町村に対し、運用指針と解説資料の周知とともに発注者協議会への協力を文書で求めた。運用指針では「発注者間の連携体制の構築」を掲げ、支援を必要とする市町村などの発注者は、協議会を通じて国や都道府県の支援を求めるとしている。国交省は、運用指針に基づく発注事務のノウハウや人員が不足しているケースが少なくない市町村を支援し、連携する体制を整えることで、運用指針の始動に万全を期す。

都道府県単位の協議会は地方整備局、都道府県、全市町村で構成する。ブロック単位の協議会にも政令市や市町村の立場を代表する一部市町村が参加していたが、運用指針の実行体制を強化するため、全市町村が参加する枠組みを構築した。中部ブロックの事例では、ブロックの地域発注者協議会の傘下に、管内4県(愛知、岐阜、三重、静岡)の「県部会」を設置した。規約に「すべての市町村が各施策を推進・強化するため、各県に部会を設置する」との条文を入れた。

運用指針は、政府の「公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議」で1月に申し合わせた。国交省は全国で運用指針の説明会を順次開催しており、本年度内には終了する。運用指針に基づく適切な発注事務に向けては、発注者間の連携体制の構築に加え、発注者自らの体制整備、工事成績データの共有・相互活用、外部からの支援体制の活用などを盛り込んでいる。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る