2015/05/25 国交省/社保未加入許可業者、15年秋に一斉加入指導/漏れのない対策徹底

【建設工業新聞 5月 21日 1面記事掲載】

国土交通省は、5年ごとの建設業許可更新時に実施している社会保険の加入指導を前倒し実施する。まず大臣許可と都道府県知事許可業者の中から、16年1月以降に許可更新期限を迎える社会保険未加入業者を抽出。加入を指導する文書(通知)を同省から対象企業すべてに今秋送付する。厚生労働省への通報時期を現在よりも早め、すべての未加入許可業者の通報を17年度に完了させる。許可業者の100%加入に向け、未加入対策を一段と徹底する狙いだ。

現在は許可更新申請時に未加入が判明した場合、計2回の加入指導を経て、1回目の指導から半年後に厚労省に通報している。許可業者には12年11月から許可更新の申請時に加入状況を申告するよう求めており、毎年の経営事項審査申請時にもチェックしている。ただ、経審を受けていない未加入の許可業者の把握は、更新が5年に1度であることを踏まえると、最も遅いケースでは17年10月までずれ込む可能性があった。その時点から加入指導を始めたとすると、通報まで至るのは18年度に入ってからになる。国交省は17年度に許可業者の社会保険加入率100%達成を目指しており、目標達成には漏れのない対策が必要と判断。加入指導と通報の前倒しに踏み切ることにした。文書による事前の加入指導を実施するのは、16年1月以降に許可更新期限を迎える業者(約12万者)のうち未加入の業者。個人や既に指導に入っている業者は除外する。

更新期限に応じて対応を分け、16年1~6月の業者は、更新申請時に未加入だった場合は指導を従来の2回ではなく1回で済ませ、同年6月末までに従わなかった際は厚労省に通報する。16年7月~17年3月に許可を更新する業者は、事前の加入指導だけを行い、更新申請時点で未加入ならすぐに通報する。17年4月以降に更新期限を迎える未加入業者については、同年3月まで未加入だった場合、申請を待たずに通報する。今秋以降に新規に許可を申請した際に未加入が分かったり、発注部局から建設業許可部局に通報があったりした場合は直ちに厚労省に通報する。国交省は、許可業者のデータと社会保険加入データの突き合わせ作業を厚労省に要請し、事前指導の対象者を絞り込む。

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