2015/09/15 国交省/設計変更ガイドライン、全整備局で改定完了/概算額を明示

【建設工業新聞 9月 14日 2面記事掲載】

国土交通省の全地方整備局、北海道開発局、沖縄総合事務局で、土木工事の設計変更ガイドラインの改定がすべて完了した。適切な設計変更などを求めた改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)とその運用指針を踏まえた措置。受発注者間での認識や解釈の違いを解消するため、施工条件の明示や設計照査の指針を新たに盛り込んだほか、ほぼすべての整備局が設計変更の概算額も示すことを明記した。設計変更ガイドラインは各整備局ごとに運用しており、改定は国交省と日本建設業連合会(日建連)の意見交換会フォローアップ会議の議題になっていた。改定は、関東地方整備局が6月に先行して実施。今月10日に沖縄総合事務局が改定ガイドラインを公表したことですべて出そろった。国交省は今夏までに順次改定すると表明していた。

改定のポイント(関東版)は、▽公共工事品確法の趣旨記載▽土木工事条件条件明示の手引作成▽設計照査のチェックリストを含むガイドラインの作成▽設計変更の増減概算額の明示▽工事一時中止による増加概算額の明示▽工期短縮計画書の作成。他の整備局もほぼ同様の内容に改めた。設計変更が可能なケースとして、受注者からの請求による工期延長や発注者の請求による工期短縮を挙げ、協議によって工期や請負代金を定めると追記した整備局もある。増減の概算額は、契約変更の前に出す指示書に発注者が「参考値」として示すが、契約変更額に対する拘束力は持たせない。

九州整備局の場合、事前に設計変更協議会で変更内容の金額や条件面も受発注者で確認し、受注者からの要請があれば変更指示書に概算額を明示する。その際、参考とした事例や資料、見積書などの出典や算出条件なども記載するとした。請負金額の30%を超える設計変更に応じない「30%ルール」についても、実施している地方自治体があることから、「あってはならない」などと明記し、30%を超える場合でも適切に請負代金または工期の変更を行うとした。設計変更が可能なケースも明確化した。設計変更ガイドラインと同時に工事一時中止のガイドラインも改定した。指示書などに概算の増加額を明記するようにしたほか、工事の再開に当たり工期短縮が必要と発注者が判断した場合、受注者に協議を求め、受注者は工期短縮計画書を作成する。工期短縮に伴う増加費用は計画書に基づき設計変更を行う。

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