2016/01/28 16年度建設投資、0・4%減/補正・当初予算案反映し上方修正/建設経済研ら

【建設工業新聞 1月 28日 1面記事掲載】

建設経済研究所と経済調査会は27日、16年度の建設投資(名目)が前年度比0・4%減の49兆8800億円になるとの見通しを発表した。今回は政府の15年度補正予算と16年度当初予算案の数値を反映させた初めての予測値で、昨年10月にまとめた前回見通しに比べ1兆1400億円の上方修正となった。

16年度建設投資見通しの内訳は、政府建設投資が前回見通しを1兆0100億円上回る20兆2700億円(前年度比5・5%減)、民間住宅投資が1300億円下回る15兆6500億円(4・5%増)、民間非住宅建設投資が2600億円上回る13兆9600億円(2・3%増)。

うち政府建設投資を前回見通しより大きく上方修正したのは、今回初めて反映させた16年度予算案の一般会計で公共事業費が15年度当初予算と横ばいを確保すると見込まれるため。併せて、15年度補正予算の事業費で14年度補正予算を約1000億円上回る約9000億円を確保し、16年度に出来高として実現すると予測したからだ。

半面、政府建設投資が前年度より減少する最大の要因には、16年度に東日本大震災からの「復興・創生期間」が始まるのに伴い、16年度予算案で東日本大震災復興特別会計の総額が大きく減少(16・9%減)したことを挙げている。

民間住宅投資では、16年度の着工戸数を4・1%増の95・4万戸と予測した。内訳は、持ち家31・1万戸(8・8%増)、貸家39・5万戸(4・2%増)、分譲住宅24・2万戸(1・4%減)。うちマンションを中心とする分譲住宅着工戸数の減少を予測したのは、人件費や資材などが高騰して建築費の高止まりが続いている影響が今後も残ると見込まれるため。昨年に表面化したマンション基礎杭の施工データ流用問題の影響は今回の調査には反映させていない。

民間非住宅投資は2020年東京五輪関連の建設需要を含め緩やかな回復が継続していくと予測。建築投資を9兆2100億円(2・8%増)、土木投資を4兆7500億円(1・3%増)と見込んでいる。

一方、15年度の建設投資は前回見通しを4000億円上回る50兆0700億円(前年度比2・4%減)になると推計している。

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