2016/03/18 国交省/業許可申請書に企業版マイナンバー記入検討/社保加入状況確認容易に

【建設工業新聞 3月 18日 1面記事掲載】

国土交通省は、国税庁から法人に指定・通知される13桁の「法人番号」(企業版マイナンバー)を建設業許可申請書に記入してもらう方向で検討に入った。社会保険関係の書類は様式変更で法人番号の記載欄が設けられており、これらの書類に記された法人番号と、許可申請書の記載番号をひもづけすれば、企業単位の社会保険加入状況を容易に確認できるようになる。同省は17年度に全許可業者の社会保険加入を目指す目標を設定しており、これを目標達成への有力な方策に位置付ける。

法人番号は、個人に付される12桁の「マイナンバー」と併せて昨秋以降、各企業に書面で通知されている。個人のマイナンバーとは異なり、利用に制限はなく、国税庁の法人番号公表サイトから「法人番号」「商号または名称」「本店または主たる事務所の所在地」といった情報を誰でも検索することができる。

社会保険関係では、企業がハローワークに提出する「雇用保険適用事業所設置届」「同廃止届」「同各種変更届」などの様式に法人番号の記載欄が設けられ、今年1月に運用が始まった。健康保険や厚生年金保険の各種届出書でも、同様に法人番号の記入が必要となっている。

国交省は、建設業許可申請書に法人番号を書き込めるよう、建設業法に基づく申請様式を見直し、法人番号欄を設けることを想定している。許可業種区分を新設する改正建設業法と関連政省令が施行される6月に照準を合わせ、申請様式の改正に向けた必要な手続きを進めていく考えだ。

社会保険の加入促進をめぐり国交省はこれまで、許可行政庁による未加入業者への指導と、厚生労働省の保険部局への未加入業者の通報に取り組んできたほか、昨年11月には、未加入の許可業者に文書での一斉指導も実施した。同省直轄工事では、未加入の1次下請を排除する取り組みを14年8月にスタート。未加入業者が施工に携わっていた場合、元請にペナルティーを科すことにしており、このほど近畿地方整備局発注工事の元請1社を初めて、1カ月の指名停止とした。

こうした取り組みに加え、許可申請書への法人番号の記載を通じて、目標達成に向けた加入促進の活動に一段と力を入れていきたい考えだ。

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