2016/04/07 国交省/営繕工事で数量書活用方式試行/記載疑義は受発注者協議で代金変更

【建設工業新聞 4月 7日 1面記事掲載】

国土交通省は、16年度に営繕工事で「入札時積算数量書活用方式」を試行する。入札参加者に示す「数量書」の記載事項について契約後に疑義が生じた場合、受発注者間の協議を経て必要に応じて数量を訂正し、請負代金を変更することを契約事項とする。入札を行う全営繕工事が試行対象。試行結果を検証し、17年度からの本格導入につなげる。

試行工事では、数量書の記載事項について、施工図作成時などに施工者が誤りや数量漏れなど見つけた場合、発注者に協議を申し入れることができる。協議を経て、必要に応じて数量の訂正と請負代金の変更を行う。試行中に業界へのヒアリングも行い、本格導入を見据えた基準の整備などを進めていく。

各地方整備局に試行内容などを周知する文書を送付。試行案件の契約書への条項の記載例も示した。

数量書はこれまでも入札参加者に参考資料として提示されていたが、今後はこれを契約事項の一つと明確に位置付けることで、発注者によって扱いにばらつきが出ないようにする。試行工事は、入札公告時に配布する入札説明書にもその旨を明記する。

改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)では、その基本理念に「公正な契約を適正な請負代金額によって信義に従って誠実に履行する」と規定している。官庁営繕部は、一部自治体の工事で数量書に誤りを見つけた受注者からの協議要請に発注者が応じない事例が見受けられたことから、試行工事の実施を検討していた。

国交省は各整備局への試行通知の内容を建設業界にも周知したほか、都道府県・政令市にも伝えている。今後、会合などを通じて内容を紹介していくことにしている。

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