2016/06/24 許可・経審申請業者-社保加入率94%に/15年度下期、全国キャラバンなど奏功

【建設工業新聞 6月 24日 1面記事掲載】

国土交通省は、建設業許可や経営事項審査(経審)の申請などに合わせて実施している社会保険への加入指導の結果をまとめた。15年10月~16年3月の半年間で許可や経審を申請した業者のうち、既に社会保険に加入していた業者の割合は89・2%。指導後に加入した業者を加えると、全体に占める割合は94・4%に達した。国交省が15年に実施した社会保険加入促進の全国キャラバンや同年11月に開始した前倒し一斉指導などの未加入対策が加入率上昇に寄与したとみられる。

許可・経審の申請数は5万5816件で、うち加入数は4万9765件。指導を行ったのは全体の10・8%に当たる6051件だった。指導によって加入した業者は2915件、指導に応じず厚生労働省への通報にまで至ったのは4463件に上った。

申請時に加入していた業者の比率は、14年4~9月が82・7%、14年10月~15年3月が86・2%、15年4~9月が88・0%と上昇傾向にあり、15年10月~16年3月はさらに高まった。一方、指導件数の比率は、14年4~9月が17・3%、14年10月~15年3月が13・8%、15年4~9月が12・0%、15年10月~16年3月が10・8%と着実に低下している。

申請時の加入指導は12年11月から実施。指導は許可・更新と経審申請時に加え、立ち入り検査時にも行っている。累計の指導数は5万2813件、指導後の加入業者数は1万9394件、厚労省への通報数は2万5784件に上った。通報率(指導件数に対する通報件数の割合)は48・8%。申請時の加入数と指導後の加入数を合わせた業者数は39万5820件で、申請総数の92・2%になっている。

国交省は建設業の社会保険加入の目標として「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」を掲げている。許可業者には12年11月から許可更新の申請時に加入状況を申告するよう求めている。更新は5年に1度行われるため、17年10月に申請時の加入指導が一巡する。

許可業者の100%加入に向け、15年11月にすべての未加入業者に加入指導文書を一斉通知した。厚労省への通報時期も早め、すべての未加入業者の通報を17年度に完了させる。16年7月~17年3月に許可を更新する業者で申請時に未加入ならすぐに通報。17年4月以降に更新期限を迎える未加入業者は同年3月まで未加入だった場合、申請を待たずに通報する。

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