2016/07/01 国交省/2次以下下請の社保未加入対策推進/内訳明示見積書の活用徹底

【建設工業新聞 7月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業の社会保険未加入対策の一環として、加入率の低い2次以下の下請業者に対する取り組みを推進する。法定福利費を内訳明示した見積書の活用に関する調査で2次下請の状況も把握。その結果を踏まえ、7月下旬にも現場の立ち入り検査を始める。下請指導ガイドライン改正案では内訳明示の見積書の法的位置付けを明確化し、1次・2次下請間でも見積もり条件にするなど、「2次以下の業者、労働者への法定福利費の流れを作り、加入促進につなげる」(建設業課)考えだ。

国交省は社会保険加入の目標として「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」を設定。期限まで1年を切り、依然低い加入率にとどまっている2次以下や都市部の下請業者に対する取り組みを柱に未加入対策の強化を打ち出している。

法定福利費を内訳明示した見積書の活用を徹底するため、許可部局による立ち入り検査を実施。公共・民間、土木・建築を問わず規模の大きな工事を対象に、各地方整備局を通じて6月にアンケートを開始し、これまでに全都道府県で1000社弱の元請業者に調査票を送付。今後もアンケートを続ける可能性もある。

調査票では1次・2次下請の社会保険加入状況の把握を実施しているかどうかを確認。1次・2次下請間での内訳明示の見積書の活用状況を把握するため、元請と1次下請の注文書などに2次下請に対し「加入指導」「内訳明示見積書の提出」「内訳明示見積書の尊重、法定福利費を適正確保した契約締結」「適用除外を除く未加入業者と契約を締結しない」について記載の有無を確認。注文書のサンプルの提出も要請し、未加入対策を実施していない場合は、いつまでに措置する予定か回答を求める。

アンケート結果に基づき立ち入り検査を行う現場を決定。元請から下請への内訳明示見積書活用の働き掛けや、下請から提出された見積書の尊重などの状況を確認し、必要に応じて指導する。検査は7月下旬にも開始する。

下請指導ガイドライン改正案は、内訳明示の見積書の提出を、従来の元請・1次下請間と同様に1次・2次下請間でも見積もり条件とする。内訳明示の見積書が建設業法に規定する建設工事の見積もりに該当するとし、位置付けを明確化した。12日まで改正内容への意見を受け付ける。

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