2016/09/02 国交省/技術提案評価S型の改善策検討/担い手確保やi-Con推進も

【建設工業新聞 9月 2日 1面記事掲載】

国土交通省は、総合評価方式の入札で、技術評価点の差が縮まっている状況が見られる「技術提案評価型(S型)」の改善策を検討する。これまでの評価テーマで得点状況の分布などを分析するとともに、受発注者の現場ニーズを把握し、次年度以降の新たな評価テーマを提案するプロセスを構築。提案による施工の品質確保などへの寄与度合いを確認した上で標準化することも検討する。

総合評価方式の入札で担い手確保・育成策や現場の生産性向上策i-Constructionなどの政策推進の取り組みを評価する仕組みの拡大も模索する。

8月31日の「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)で、総合評価方式の改善策の方向性を示した。

WTO政府調達協定の適用対象案件に採用されるS型は、技術点の差が年々縮小する傾向にある。規模の大きいWTO対象工事で特に複数業者が1位同点となる割合が非WTO対象工事に比べて高く、特にトンネル、鋼橋上部、PC工事に目立っている。こうした状況を受け、国交省は技術評価の分析イメージを提示した。

得点率が同一になりやすい評価テーマを抽出して参加者ごとに提案内容を分析したり、それぞれの評価テーマごとに配点と見合った得点の差があるかどうかを確認したりする。年間の分析結果を次年度以降、企業の技術力を適切に評価する効果的な評価テーマの設定や、提案内容の標準化などにつなげる。

関東地方整備局では技術検査官による一貫した資格・技術審査や工事検査を実施。技術提案による工夫や効果の発現状況を把握している。こうした取り組み事例を全国に広げることも検討する。

総合評価方式の入札で、政策目標の実現への寄与度などをフォローアップする手法や指標などを検討。i-Construction推進のため、技術提案の評価テーマとして生産性向上に資する内容や適用する工事内容なども検討する。

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